元警視庁刑事で治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が、YouTubeチャンネル「最後の取調室」にて動画を公開した。栃木県上三川町で発生した強盗殺人事件の「リクルーター」である18歳少年の初公判を通じ、匿名・流動型犯罪グループの実態と闇バイトの恐ろしさを解説している。

事件は今年5月14日に発生し、16歳の少年らが実行役として逮捕・起訴された。今回の動画で着目したのは、実行役をSNSなどで集めたとされる18歳少年の初公判だ。少年は「1000万円が手に入る」というSNSの投稿を見て連絡を取ったが、自身は恐怖から現場に行かず、通信アプリを通じて知人を紹介しただけで職業安定法違反に問われた。

小比類巻氏はこの事件を題材に、特定の案件ごとに人を集め、終われば関係を断つ「匿名・流動型犯罪グループ」の構造を解説。「その点を、線で1本ずつたどっていく必要がある」と、細分化された組織構造による捜査の難しさを指摘した。また、末端の若者には巨額の報酬が提示される一方で、実際に利益を得た者は確認されておらず、首謀者が凶器購入時にポイントカードを使うなどの「浅はかさ」も浮き彫りになったと語った。

最後に小比類巻氏は、「これアルバイトでもなんでもないですよ」と強調。安易に知人を巻き込む行為が重罪につながる現状を危惧し、「闇バイトという言葉の実態を非常によく表している」と事件の結末を総括した。SNS上に溢れる甘い誘い文句に潜む罠への注意喚起となる動画である。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。