脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「なぜ愚かさは人を傷つけるのか」と題した動画を公開した。動画内で茂木氏は、思考の浅い発言や行動が他者だけでなく自分自身をも傷つける理由について、自身の経験を交えながら独自の視点から警鐘を鳴らしている。

茂木氏はまず、「愚かさは人を傷つける」と切り出し、現代社会において頻繁に目にするSNSを例に挙げた。X(旧Twitter)などで考えが足りない意見を目にした際、自身が傷ついたように感じる場合があるという。その理由について、茂木氏は「愚かさはある種の暴力」であると指摘する。何も言わなければ誰も傷つけないにもかかわらず、考えが足りない人ほど、勢いよく自分が正しいと確信して発言する傾向がある。それが「言葉の暴力、考えの暴力」となって、周囲の調和やバランスを崩していると説明した。

この構造はインターネットの世界にとどまらず、日常生活の身近な関係性にも当てはまるという。例えば、親や教師が子供の本当の動機や考えを極解し、勝手に決めつけるゆえに、子供が深く傷つき憤慨するケースを挙げた。「ゲスの勘繰り」なども含め、これらは大人の側の「愚かさ」が引き起こす無自覚な暴力であると語る。

さらに茂木氏は、「気をつけるべきなのは、自分自身の愚かさが自分自身を傷つける場合もあるという事実だ」と強い言葉で語りかける。不用意な発言や、考えなしに行動して後で激しく後悔する経験は誰にでもあるとし、十分に吟味せずに行動する姿勢が自身へのダメージに繋がると分析した。たとえそれが目に見える大失敗という形で表れなくとも、自身のより良い生き方に繋がっておらず、気づかないうちに自分を傷つけている状況もあると解説した。

最後に茂木氏は、自身が常々口にしているという「賢さというのは優しさ、突き抜けた賢さは本当に優しい」という持論を展開した。自身の過去の失敗を振り返りつつ、「できるだけ努力する価値がある対象に向かって努力したい」と前を向く。そして、世間にあふれる尖った愚かさを反面教師とし、「ポンコツでバカだけど優しい人になりたい」と語り、自身への戒めとともに動画を締めくくった。

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