「『春琴抄』の語り手は春琴に萌えている。“萌え豚”なんですよ」作家の阿部和重がそう力説した。4月8日によみうり大手町ホールにて開催されたイベント「TANIZAKI MY LOVE谷崎潤一郎メモリアル2015」でのトーク中のことだ。『春琴抄』とは小説家・谷崎潤一郎(1886〜1965)の代表作の一つであり(1933年発表)、春琴は同作のヒロインで盲目の地唄の師匠である。『春琴抄』は一種の評伝という形をとっている。語り手は、「鵙屋
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