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ライバルはどこにでもいる―その中にフェイスブックも加わった。

2005年末に公開されて以来(最初にアップされた動画はまだオンラインに存在する)、YouTubeはほとんどの企業ではありえないような方法でオンラインビデオを席巻してきた。今日では、同社は10億人以上のユーザーを誇り、毎分300時間以上の動画がアップロードされ、一日あたりの動画視聴回数は数十億回以上にのぼる。

これまでは順調だった。だが、これらの数字が示すような大成功を収めてきたかと言えば、少し違う。YouTubeはあらゆる側面から、さらなる圧力を受けている。2月、YouTubeは辛うじて損益分岐点に達したとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。そして先月、フェイスブックは新しいビデオ機能の数々を発表した。それらはYouTubeの市場シェアを大きく奪うことを念頭に設計されている。

YouTubeユーザーを狙っているのはマーク・ザッカーバーグだけではない。

変わりゆく風景

YouTubeに迫るマーク・ザッカーバーグ

YouTubeで現在アップロードできる360度、4Kの動画は、サイト初期に見かけた、粒子が粗くてカクつき、よくバッファ状態になる動画とは大違いだ。だが、飛躍的に進歩しているのはオンラインビデオの技術ばかりではない。

例えば、われわれはかつてないほどに動画を見ている。ウェブを通して、ひと昔前には考えられなかったような方法で、映画やテレビ番組をオンデマンド視聴することが可能だ。2008年にスタートしたSpotifyのようなサービスは、コンテンツ配信に対する考え方をがらりと変えた。

音楽という分野でYouTubeの進化をグラフ化すると興味深い。YouTubeは、偶然にも、オンラインですぐにアクセスできる、個人の好みを満たすMTVと化し、音楽好きな人々(特に若い世代の)とつながった。YouTube以前、オンラインで高品質のミュージックビデオを大量に探す方法はなかった。現在では無数の音楽や動画がアップされている。

これまで、YouTubeの音楽はVEVOのようなパートナー企業を通じて、専門的かつ利益を生み出すビジネスとなってきた。だが、それで十分だろうか?広告が出てくるのを除けば、これらのコンテンツには全て無料でアクセスできる。したがって、Spotifyをとりまく噂が示唆するように、レコード会社はこのビジネスモデルの継続に意欲的というわけではない。

Google Play Musicの契約に月額9.99米ドルを上乗せすると、少しの手続きで広告が非表示となるYouTube Music Keyを利用できるようになる(どちらか一方にサインアップすれば両方のサービスを受けられる)。10年の間に、YouTubeが無料から広告支援サービス、そして会員制サービスへと進化したのは大きな変化だ。そしてYouTubeがどれほど多くの会員サービスをひそかに用意しているのかと勘繰らずにはいられない。

ユーチューバーらは、テクノロジー、メイク、料理、ビデオゲーム、その他ありとあらゆるトピックに関する動画を撮っている。それらは同サイトで活況を呈しているもう一つのビジネス分野だ。フェイスブックのような有力企業やVesselのような小さなスタートアップ企業がこのようなスター(とその視聴者)をグーグルから獲得しようとしているのはこのような理由に違いない。

今後、有名なユーチューバーやミュージシャンらには、自分のネタや作品を発表するのに、これまで以上の選択肢が増えることになるだろう。では、YouTubeの次の一手は何だろうか?

変わりゆくYouTube

江南スタイルのようなヒット曲はYouTubeから始まった

グーグルはYouTubeの人気者を逃さないだけでなく、より採算の取れる分野へと進出しようとしている。その一つがビデオゲームのストリーミングとeスポーツのようだ。YouTubeの影響力が今のところ少ない市場だ(アマゾンがゲーム動画ストリーミングサイトのTwitchを買収した影響が大きい)。

先月のThe Daily Dotの報道では、YouTubeはライブストリーミングの野望を再び抱き、eスポーツに力を注ぐ用意をしているという。内部関係者によると、グーグルは既にプロジェクトチームを作ってそのような動きに備えており、6月に正式な発表が行われるとのことだ。

スポーツのライブストリーミングもまた、眠れる金鉱だといえる。YouTubeは以前にもこの分野に進出を試みている。しかし大イベントやリーグのほとんどはテレビ放映権契約に縛られている。音楽と同様、NFLやその他スポーツの生放送が現実になる前に、テレビからオンラインへと人の考え方が変わらなければならない。

そして、YouTubeにはNetflixを引き抜くという方法もある。これはよく噂になっていたが、YouTubeのコンテンツ・事業運営責任者ロバート・キンクルによって、半分は確実であることが先月分かった。つまり、月額料金を払えば広告を全く見なくて済むということだ。ようやく黒字を達成し、それを維持したいYouTubeにとっては、おそらく非常に良い取引となるだろう。Google Playと連携させて、iTunesに相当するウェブベースのストリーミングサービスを提供する可能性もある。

10億人のユーザーがいても、YouTubeは立ち止まれない。それが20周年にも繁栄しているとすれば、現在のYouTubeとは大きく違ったものになっているはずだ。

画像提供:
写真(Mark Zuckerberg):Owen Thomas
その他画像:Google

David Nield
[原文]