妊娠中も使用OK? ステロイド薬使用の注意点!
妊産婦の方は、お薬について使用していいか、悪いかなどお悩みのかたも多くいらっしゃることと思います。今回はご相談の多いステロイド外用剤についてお答えさせていただきます。
【「軟膏」、「クリーム」、「ローション」のちがい】
皮膚科などで痒いときやかぶれたときによく処方されるものにステロイド外用剤があります。ステロイドというとマイナスのイメージをもたれている方が多くいらっしゃるお薬になります。では、妊娠中に使用してもいいのでしょうか?
ステロイド外用剤の添付文書を開いて確認してみると
「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること」との記載があります。これは、動物実験で常用量をはるかに超える量を使用したときに副作用が出たことがあるようですが、海外、国内のデータにおいても適切な量を使用している場合については、リスクが低いとのデータも出ています。
ただし、妊娠前からアトピー性皮膚炎の治療で大量に強い薬を使用しているケースもあるかと思います。そのケースについては医師に妊娠中である旨を告げ、効果の弱いお薬に変えていただくことも必要かと思います。また、アトピーや慢性じん麻疹などでは、妊娠中でも薬による治療を続けることがあります。妊娠を予定されている方は早めに医師と相談しておくとよいでしょう
■“適量”ってどれくらい?では、適量とはどのくらいの量を指すのでしょうか? よく言われるのは、クリーム、軟膏では、人差し指の第一関節に乗るくらいの量を手の平2つ分くらいの面積に塗っていただくのが目安になります。また、ローションでは、一円玉分くらいがちょうど手の平2つ分くらいの量になります。適切な量を塗っていただいて正しくかゆみに対して対応してくださいね。
(40歳女性薬剤師/Doctors Me)
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