策なし、強さなし、スターなし……あまりに寂しい“地味な”ミラン
ミランは2015年最初の戦いとなったセリエA17節、ホームでのサッスオーロ戦で1-2の逆転負けを喫した。
序盤は完全に主導権を握り、10分には右サイドを抜け出したジャコモ・ボナベントゥーラのクロスに中央でステファン・エル・シャーラウィが反応し、こぼれた球を背後から走り込んできたアンドレア・ポーリが拾ってシュート。幸先良く先制点も奪った。
理想的なかたちで試合を進めたミランだが、ここから突如として乱れ始める。攻撃では核であるジェレミー・メネーズに良いかたちでボールが渡らなくなり、守備では凡ミスで再三危険な場面を迎えた。
徐々に調子を取り戻したサッスオーロの勢いに押され始めたミランは28分、リッカルド・モントリーボが自陣でパスを奪われたところから守備陣が混乱し、最後はニコラ・サンソーネに鮮やかな同点ゴールを許してしまった。
14節でミランが完敗(0-1)したジェノアのスタイルにも似たサッスオーロ。これを攻略できないミランは、65分に加入したばかりのアレッシオ・チェルチを投入して流れを変えようとしたが、その3分後にCKからシモーネ・ザザのファインゴールで逆転され、その後も効果的な攻撃を見せられずに終わった。
2015年最初の試合は黒星。不甲斐ない内容で逆転負けという最悪の結末に、地元ファンの大ブーイングがサン・シーロに響く。昨年末に親善試合ながら最強レアル・マドリーを4-2で下して得たはずの自信は、あっけなく吹き飛んだ。
この試合、「失うものは何もない弱小チームの捨て身の戦いに押されて強豪チームが足元をすくわれた」というものではなかった。プレー内容を振り返ると、サッスオーロの方がはるかに熟成度で勝っており、個人技でもミランを凌駕していた。
以前、ジェノアのエンリコ・プレツィオージ会長が14節の対戦前に「昔と違い、今のミランを恐れる必要は全くない」と挑発気味に語ったが、もはやミランと対戦するどのクラブにも、「ビッグクラブに挑戦する」という格下としての意識はないのかもしれない。
それにしても、ミランの出来はひどかった。相変わらず守備は不安定さを露呈し、何とか個々がギリギリのところで凌ぐ有り様。そして危険な場面で、多くの選手が凡ミスを繰り返した。頼れるキャプテンのモントリーボですら、再三不正確なパスで攻撃を遅らせてしまっていた。これは単に、久々の公式戦だったからなのか……(それはサッスオーロも同じだが)。
攻撃では、最終ラインからの組み立てが前半の途中からほとんど機能せず、ライン間のつながりもなし。MF陣は全く活きず、FW陣も沈黙を続けた。
本田圭佑がいたら……という仮定や想像は意味がないし、最近は低評価続きだった本田が試合の流れを変えられたかどうかは定かでないが、本田のフィジカルの強さと献身的姿勢、そしてチャンスを生み出す力が、サッスオーロ戦のミランに欠けていたのは事実である。
フィリッポ・インザーギ監督は「チャンピオンズ・リーグ出場」を今シーズンの目標に掲げているが、サッスオーロ戦のミランではそれも夢の夢、いやチャンピオンズ・リーグのようなハイレベルな舞台にはふさわしくない、とも言えるプレーぶりだった。
2015年の始まりは、ミランにとって最低で、そしてあまりに寂しいものとなった。
そのことが影響しているのか、このサッスオーロ戦ではミランがかつての輝きを失ったことが改めて感じられたものである。
この日、ピッチに立ったのは、ディエゴ・ロペス、マッティア・デ・シーリオ、アディル・ラミ(イグナツィオ・アバーテ)、クリスティアン・サパタ、アレックス、マイケル・エッシェン(アレッシオ・チェルチ)、ポーリ、モントリーボ、ボナベントゥーラ、エル・シャーラウィ(ジャンパオロ・パッツィーニ)、そしてメネーズ……。
序盤は完全に主導権を握り、10分には右サイドを抜け出したジャコモ・ボナベントゥーラのクロスに中央でステファン・エル・シャーラウィが反応し、こぼれた球を背後から走り込んできたアンドレア・ポーリが拾ってシュート。幸先良く先制点も奪った。
理想的なかたちで試合を進めたミランだが、ここから突如として乱れ始める。攻撃では核であるジェレミー・メネーズに良いかたちでボールが渡らなくなり、守備では凡ミスで再三危険な場面を迎えた。
徐々に調子を取り戻したサッスオーロの勢いに押され始めたミランは28分、リッカルド・モントリーボが自陣でパスを奪われたところから守備陣が混乱し、最後はニコラ・サンソーネに鮮やかな同点ゴールを許してしまった。
14節でミランが完敗(0-1)したジェノアのスタイルにも似たサッスオーロ。これを攻略できないミランは、65分に加入したばかりのアレッシオ・チェルチを投入して流れを変えようとしたが、その3分後にCKからシモーネ・ザザのファインゴールで逆転され、その後も効果的な攻撃を見せられずに終わった。
2015年最初の試合は黒星。不甲斐ない内容で逆転負けという最悪の結末に、地元ファンの大ブーイングがサン・シーロに響く。昨年末に親善試合ながら最強レアル・マドリーを4-2で下して得たはずの自信は、あっけなく吹き飛んだ。
この試合、「失うものは何もない弱小チームの捨て身の戦いに押されて強豪チームが足元をすくわれた」というものではなかった。プレー内容を振り返ると、サッスオーロの方がはるかに熟成度で勝っており、個人技でもミランを凌駕していた。
以前、ジェノアのエンリコ・プレツィオージ会長が14節の対戦前に「昔と違い、今のミランを恐れる必要は全くない」と挑発気味に語ったが、もはやミランと対戦するどのクラブにも、「ビッグクラブに挑戦する」という格下としての意識はないのかもしれない。
それにしても、ミランの出来はひどかった。相変わらず守備は不安定さを露呈し、何とか個々がギリギリのところで凌ぐ有り様。そして危険な場面で、多くの選手が凡ミスを繰り返した。頼れるキャプテンのモントリーボですら、再三不正確なパスで攻撃を遅らせてしまっていた。これは単に、久々の公式戦だったからなのか……(それはサッスオーロも同じだが)。
攻撃では、最終ラインからの組み立てが前半の途中からほとんど機能せず、ライン間のつながりもなし。MF陣は全く活きず、FW陣も沈黙を続けた。
本田圭佑がいたら……という仮定や想像は意味がないし、最近は低評価続きだった本田が試合の流れを変えられたかどうかは定かでないが、本田のフィジカルの強さと献身的姿勢、そしてチャンスを生み出す力が、サッスオーロ戦のミランに欠けていたのは事実である。
フィリッポ・インザーギ監督は「チャンピオンズ・リーグ出場」を今シーズンの目標に掲げているが、サッスオーロ戦のミランではそれも夢の夢、いやチャンピオンズ・リーグのようなハイレベルな舞台にはふさわしくない、とも言えるプレーぶりだった。
2015年の始まりは、ミランにとって最低で、そしてあまりに寂しいものとなった。
そのことが影響しているのか、このサッスオーロ戦ではミランがかつての輝きを失ったことが改めて感じられたものである。
この日、ピッチに立ったのは、ディエゴ・ロペス、マッティア・デ・シーリオ、アディル・ラミ(イグナツィオ・アバーテ)、クリスティアン・サパタ、アレックス、マイケル・エッシェン(アレッシオ・チェルチ)、ポーリ、モントリーボ、ボナベントゥーラ、エル・シャーラウィ(ジャンパオロ・パッツィーニ)、そしてメネーズ……。