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Oculusは単なるゲーム用のゴーグルではない。Glassキラーだ。

フェイスブックはもはやただのソーシャルネットワークではない。同社は検索だけでなく発生期を迎えている新規テクノロジーやポストデスクトップ・コンピューティングなどの分野でグーグルと競争しようと必死になっている。

20億ドルでのOculus買収を無事に終えたフェイスブックは、グーグルとのさらなる競合のための「Glassキラー」の開発にフォーカスする準備が整っている。

Glassはグーグルにとって、ユーザーがスマートフォンやパソコンの画面を気をせずに生活できる「ambient computing(アンビエント・コンピューティング)」への最初の進出となる。Glassはテクノロジー好きにはすでに人気を集めているが、グーグルはこれをスマートフォンと同じぐらいに一般に普及させたいと考えている。

フェイスブックにとっての第一歩は、テレビゲーム向けのバーチャルリアリティー(VR)だ。しかし同社はOculusをゲームのために買収したわけではない。20億ドルもの巨額の取引が終了した今、フェイスブックは新たなハードウェア・パートナーシップを締結し、VRやゴーグル型のコンピュータをコンソールゲームの世界から解き放とうと考えている。

フェイスブックとサムスン、モバイルにおける接点

CNETの報告によると、フェイスブックはサムスンと提携しスマートフォンやタブレットを利用したVRヘッドセットを開発しているようだ。現在Oculusのハードウェアはコンピュータやゲーム機と連携して動作し、このゴーグルを身に着けるとゲームの世界をより現実的な体験として感じられるようになっている。

このOculusのソフトウェアがサムスンのモバイル端末で動作すれば、このバーチャルな世界はさらに拡大し、350ドルのヘッドセットOculus Riftのポテンシャルをはるかに超えることが可能だ。

フェイスブックとの提携はサムスンにとってもメリットがある。韓国を拠点とするサムスンは最近グーグルのAndroid OSに距離を置き始めており、最新のGear2スマートウォッチではAndroidから自社製のものへとOSを入れ替えている。

サムスンを追う業界ブログ、SamMobileがサムスン製のVRヘッドセット用と思われる新しいVRモバイル・ソフトウェアの初期のスクリーンショット画像を公開している。ユーザにとってはVRハードウェアが無ければ意味がないかもしれない。だがもしこのスクリーンショットが本物ならば、これはまさにフェイスブックの傘下に入ったOculusとのパートナーシップの最初の成果物かもしれない。

スマートフォンを使ったVRヘッドセットに関するアイデア自体は決して新しいものではない。実際今年の初めGoogle I/Oで、グーグルはダンボールで作れるパズルのようなDIYヘッドセット「Cardboard(ダンボール)」を紹介している。

関連記事:グーグルによる超格安VRヘッドセット「Cardboard(ダンボール)」が登場

長期的な戦略

フェイスブックもグーグルも短期的な発想は持っていない。両社は今はまだ実を結んでいない未来のテクノロジーに賭けている。今彼らが取り組んでいるプロジェクトはすべて次の5〜10年に彼らが予期するもので、VRやパソコンやスマートフォンの画面のいらないコンピュータなどは変わり続けるデジタルコンテンツの消費手法に対応するためのものだ。

ドローン、VR、ロボットは決して無駄なプロジェクトではない。それらは将来我々がインターネットを消費するために必要なテクノロジーとなるのだ。

フェイスブックとグーグルの競争は激化する一方だ。フェイスブックがクールなイメージを維持するために買収したOculusこそ、将来我々が友人と会話する未来のコミュニケーションの基盤になるかもしれない。

トップ画像提供:Adriana Lee

Selena Larson
[原文]