左上から時計回りに松田龍平、松尾スズキ、二階堂ふみ、阿部サダヲ、松たか子 ©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会

写真拡大

松尾スズキ監督の新作映画『ジヌよさらば 〜かむろば村へ〜』が、2015年春に全国で公開される。

【もっと写真を見る】

松尾にとって長編監督作品としては『クワイエットルームにようこそ』以来となる同作は、いがらしみきおの漫画『かむろば村へ』をもとに制作。銀行勤務でありながら金アレルギーになってしまい、金銭を一切使わない生活を目指して東北地方のある寒村にやってきた主人公が、風変わりな村人たちと交わりながら暮らす様子を描いたスラップスティックコメディー作品だ。

元銀行員の主人公・高見武晴役を演じるのは、2004年の『恋の門』以来約10年ぶりに松尾監督作品に出演する松田龍平。また、隠された過去を持つ異常に世話焼きな村長役に阿部サダヲ、村長の妻役に松たか子、「神様」を自称し、村民から慕われている老人役に西田敏行がキャスティングされているほか、二階堂ふみもキャストに名を連ねている。なお、いがらしみきおの漫画が実写映画化されるのは今回が初めてとのこと。

■松尾スズキ監督のコメント
一銭も金をつかわず生きるという極端なテーマは、過去に発表されたにも関わらず、経済的に混迷する現在にピッタリだと思いました。龍平と「あまちゃん」で共演したり最近の仕事を見るに「のってるな!」と思い、10年前のコネの使いどころはここだとねじこんでみました。阿部は自分が育てた俳優なのに、いつもスケジュールで捕まらず、やっと映像で仕事ができると喜んでいます。松さんは、『東京タワー』に出ていただき、その透明感に魅了されていました。二階堂さんとはドラマの時に知り合い「面白い子だなー」と思っていたらめきめきと頭角を現して来て、今が旬だと狙い撃ちしました。西田さんは昔から尊敬する俳優で、まさか受けてくださるとは、逆におっかなびっくりです。今回は地方に行ったきりの撮影でまさに逃げ場がない。腹をくくって映画監督に徹するよう、自分に催眠術をかけているところです。

■松田龍平のコメント
「恋の門」に続いて松尾スズキ監督の作品に出演出来ることを心より嬉しく思います。今回僕が演じる役はお金恐怖症の銀行員です。この現代社会でお金を使わずに生きていけるのか、という題材も楽しみです。

■いがらしみきおのコメント
私の作品でははじめての実写映画が、こんなに豪華なスタッフとキャストで実現されるとは信じられない思いです。原作の「なにも売らない なにも買わない ただ生きて行く」というテーマが、敬愛する松尾スズキさんの手によって、どう変化し、化学反応するのかとても楽しみです。きっとこれからの日本の行く末の影と光を示してくれるものになるでしょう。この映画の完成を見るまでは死ねないな、と思いました。