最近イライラしたり、疲れがとれなかったりしませんか?

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更年期障害でイライラしている女性上司にどう対応したらよいか」――ネットのQ&Aサイトでこんな質問を見かけることがよくある。やはり更年期障害といえば女性のイメージが強いのだろう。実は男性にも更年期障害があることは意外に知られていないのでは?

職場にしょっちゅうイライラしている男性上司はいないだろうか? イライラの理由はいろいろあると思うが、もしかしたら更年期障害が原因という人もいるかもしれない。

男性更年期障害など男性特有の悩みを解決するメンズヘルス外来を開設している城西クリニックの久末伸一先生に話を聞いた。
「男性更年期障害は40代以降に症状が出始め、50〜60代が最も多い。ただし、早い人では30代での発症もあります」
同院が昨年実施したAMSスコア(加齢男性症状調査表)による調査では、男性更年期障害の疑いのある割合は40代で62.8%、50代で66.7%にも上ったという。

原因は加齢によるテストステロン(男性ホルモン)の低下。主な症状は、精神面では「イライラ」、身体面では「疲れがとれない」、性機能面では「性欲の減退」など。
「なんとなく調子が悪いと感じていても男性更年期障害を知らないために放置してしまい、長年不調に苦しんでいる人も多くいます。全国で約600万人の潜在患者がいるとされていますが、治療を受けているのはわずか2〜3万人にすぎません」

同院では男性更年期障害に対する取り組みの1つとして、男性力を数値化する独自の検査 「男性力ドック」をおこなっている。これは体脂肪率や筋肉量など体組成の「身体」面、メンタルヘルスの「精神」面、男性機能の「性」的側面の3つの側面から男性の健康(=男性力)を測定するもので、男性更年期の検査もその一部。具体的には、テストステロン(男性ホルモン)値とAMSスコア(加齢男性症状調査表)によって診断され、治療としてはテストステロンの補充のために主に男性ホルモン成分が入った注射、クリーム、ジェルを処方してくれるそうだ。

日常生活の中でできる予防法も聞いた。
「40歳を過ぎたら徹夜はNG。徹夜をすると4〜5日間はテストステロンが低下し続けます。同じくテストステロンを低下させるアルコールも控えて欲しい。筋トレやスクワットは予防に効果的です」

自分でホルモンの低下を調べられ「男性更年期セルフチェックリスト」(ADAM)は以下。10項目のうち、いくつチェックが入るだろうか?

Q1. 性欲(セックスをしたい気持ち)の低下がありますか?
Q2. 元気がなくなってきましたか?
Q3. 体力あるいは持続力の低下がありますか?
Q4. 身長が低くなりましたか?
Q5. 「日々の愉しみ(たのしみ)」が少なくなったと感じていますか?
Q6. もの悲しい気分/怒りっぽいですか?
Q7. 勃起力は弱くなりましたか?
Q8. 最近、運動する能力が低下したと感じていますか?
Q9. 夕食後、うたた寝をすることがありますか?
Q10. 最近、仕事の能力が低下したと感じていますか?

Q1.とQ7.でチェックの入った人、それ以外の項目で3つ以上チェックの入った人は男性ホルモンが低下している可能性が高いとされている。

男性更年期障害の潜在患者数は全国約600万ともいわれ、40代・50代男性限定というわけでもない。心配な人は一度専門医で検査を受けてみるのも一案だ。
(古屋江美子)