働いたらニートじゃないんじゃね?「NEET株式会社(仮称)」説明会の実態をレポ
働かない会社が生まれそうです。
ニートが集まり、雇用されない事業主になって会社を作る。
その名は、「NEET株式会社」。
えっ、ちょっと待って。
働かないからニートで、働いたらニートじゃないんじゃね?
この会社説明会が6月11日に行われました。
現在USTREAMに、説明会イベントの様子がアップされているようです。
さて、友人(愛さん(仮名)とします)が参加したというので、早速話を聞いてみました。
愛さんは、今回は「ついでに行った程度」とのこと。
●「働かない」ってなに?
愛「私が一番気になっていた事案は副業です。これに対しては、「働きたくない」「ほどほどに働きたい」「ガッツリ稼ぎたい」「仲間がほしい」「働くこと以外なら何でもします」いろんな目的や目標、指針は人それぞれなので、副業大いに歓迎、という答えが出されたような気がします」
「会社」というくくりの枠で、定められない。
にしても「働きたくない」ことを条件にするって、どういうことなんだろう?
愛「質問されました。『何かやりたいことがあって、それを第一目標としてお金は二の次でいい方は挙手してください』私は……挙手、しました」
───ふむふむ。
愛「はい。そして次に『お金が一番大事!ガッツリ稼いで儲けたい!方は挙手してください』。私は、挙手しました」
───どっちですか!
愛「だってお金ほしいですもん! ふざけて両方に挙手したのではなく、真剣にどちらも追い求めたいと感じたから挙手したわけです。要はやりたいことをやって儲けたい、という。それができるんじゃないか」
『働き』たくない。
「仕事」という枠で誰かのもとについて「働く」のではなく、「やりたいことを達成」しながら、いかにうまく「お金を稼ぐか」を考える場。
遠くから見たらもちろんどちらも「仕事」なんですが、心構えが違っています。
愛「ニートっぽいなって人もいたし、アーティスト風の人もいました。スーツの人も結構いました。8、9割の人は普通の服装の人。男性が8〜9割」
───世間一般の「ニート」像と、少し違いますかね。
愛「でも寝てる人いましたよ。隣のスーツの人が睨んでて。真剣に来てる人もいました。この中でマジのニートってどれくらいかな?とか他の人が話していたり」
愛さんのとなりには、元ホストの方がいたとのこと。本当に多様な人がいたようです。
最初、説明会が募っていた人数は100人。
ところが、会場に集まったのは200人、ネット中継参加した人が1000人。多い!
主催は最初、20名くらいしか来ないだろうと考えていたようです。
●スマホをいじりながらの説明会
愛「会場ではQRコードがスクリーンに提示されてて『ここにアクセス!』。Twitterみたいな掲示板がでてきました。そこで適当に名前を登録」
───本名確認がない?
愛「匿名のままが多かったですよ。誰でも入れちゃうんじゃ?」
───話を聞きながら掲示板に発言するんですか?
愛「そうです。『このインターフェイスはダサすぎる。5万くれ。俺が作り直す(匿名)』とかいう書き込みも出ました。その発言で、いろんな能力を持つ人たちが来たんだな、ってこともわかりました」
───説明会でみんなケータイ・スマホいじってるんですね。
愛「掲示板の流れがスクリーンに映されていました。2chなんかで『こうやってカモを集めて詐欺るんだろ』みたいな意見があったらしいです。司会の方が『ぼく2ch苦手なんで見たくなかったんですけど……』と言いながら『それはないです』と」
───疑念持ってる人もいたんですね。
愛「司会者さんが話すことに対してのツッコミが掲示板に流れました。たとえば『みんなで合宿をやりたいと考えています』と司会者さんが言います。そしたら『合宿費用は出るのか』『1円も出せない』『遠すぎて無理』とか」
みんなが熱心なわけではない。
特にお金の問題については、現実的な意見が飛び交います。
●日本はモラトリアム後進国?!
愛「スクリーンに満員電車の写真が映し出されました」
───えっ?
愛「司会の方が『満員電車に乗るのは苦しい』みたいな。で、この風景は、近い将来『こんなに悲惨だった!2000年代』といった歴史の教科書に載ると思ってるんですよ!ぼくは!という主張がされました。ここで会場笑う」
仕事社会「日本」を象徴するのが「満員電車」や「パーテーション分けオフィス」。
これをキーに持って来て、「働く」という意味を投げかけます。
愛「日本のニートと、北欧のニートの違いの話がありました。外国は、27から29才でようやく学業を修了。就職活動も卒業後からなんだそうです」
───29からっていったらえらい遅い……
愛「はい。日本で言ったら遅すぎるくらいですよね。そして大文字で『日本はモラトリアム後進国?!』」
すごいのかすごくないのかわからない! うまい釣りだなあ。
「わかるー」となるか「ふざけんな!」となるか。どっちにしてもなかなか心くすぐる言葉です。
・取締役は従業員ではない
・「雇う」「雇われる」をなくしたい
・ルールはみんなで考える
・固定給なし、ただし搾取もなし
・儲かったら、みんなが納得できるように分ける
これらが基本理念とのこと。
●ニートアイドル双葉杏chang
愛「参加者による挙手も活発になってきました。で、ある方が『そもそもこれは、同人サークルと何が違うんでしょうか』と言い出して」
───それは思いますよ。
愛「そこで挙手しました。『すみません、同人サークルという言葉が出てきたので便乗させてください。いまここで、私のできることを皆様に見ていただきたいと思います』」
───!?
愛「『今モバゲーで「アイドルマスターシンデレラガールズ」というゲームが配信されていまして、それに出てくるキャラに「働かないニートアイドル」がいます。その子を描いてきました』といってポスターを見せました」
───すごい度胸!
愛「会場も知ってる!とか沸きまして。『実は、ニートという記号を提示するために、この双葉杏ちゃんの帽子を持ってきました!かぶってもいいですか?』司会者さん『どうぞ! そのキャラ知ってます! 空気を読まずに自己アピールしてしまう姿勢!すばらしいです!』と言ってくださって、良い感じに会場がカオスになり始めました」
愛さん何仕込んでるの! 面白いじゃないですか。
『シンデレラガールズ』には「働かないニートアイドル 双葉杏」というキャラがいて、「働かないのにアイドルってなんだ!」と話題になっていました。
これで、拍手が起きたりしています。
その後、参加者の一人が司会進行を乗っ取ったりとハプニングもありましたが、様々な意見が出され、説明会は終了。
●今後のNEET株式会社(仮称)
愛「2013/09NEET株式会社(仮称)設立。希望者は全員取締役に就任。選考は……なし! 7/6に合宿か何かやるそうです。『このプロジェクトに参加するのか決めかねてる方も、もちろんいると思いますので、一週間後に履歴書に値するエントリーシートのメールを送ります、そこで決めてください』」
───いきなり合宿とか怖くないですか?
愛「オフ会の延長と思えば……。交通費出ればの話ですけど。実費なら行かない。いけない」
───なるほど。みんな声掛け合うくらい積極的なのですか。
愛「声かけあえられる人もいれば、まったく参加できてない方もいると思いますよ。むしろこの雰囲気についていけない方もいたはずです。みんながみんな「やるぞー」って感じでは多分なかったかと。なので、絞られるのではないでしょうか。意見言いたいのに、性格的雰囲気的に言えない方もいたでしょうし」
説明会でもまだまだ未知数の「NEET株式会社(仮称)」。
多分紆余曲折はあるでしょうし、実際参加する人も限られてくるでしょう。
ただ、集まった人たちはかなり現実的に物を見ているようです。
一つでも面白いものが生まれたら、これは面白いことになりそうです。
(たまごまご)
ニートが集まり、雇用されない事業主になって会社を作る。
その名は、「NEET株式会社」。
えっ、ちょっと待って。
働かないからニートで、働いたらニートじゃないんじゃね?
この会社説明会が6月11日に行われました。
現在USTREAMに、説明会イベントの様子がアップされているようです。
さて、友人(愛さん(仮名)とします)が参加したというので、早速話を聞いてみました。
愛さんは、今回は「ついでに行った程度」とのこと。
愛「私が一番気になっていた事案は副業です。これに対しては、「働きたくない」「ほどほどに働きたい」「ガッツリ稼ぎたい」「仲間がほしい」「働くこと以外なら何でもします」いろんな目的や目標、指針は人それぞれなので、副業大いに歓迎、という答えが出されたような気がします」
「会社」というくくりの枠で、定められない。
にしても「働きたくない」ことを条件にするって、どういうことなんだろう?
愛「質問されました。『何かやりたいことがあって、それを第一目標としてお金は二の次でいい方は挙手してください』私は……挙手、しました」
───ふむふむ。
愛「はい。そして次に『お金が一番大事!ガッツリ稼いで儲けたい!方は挙手してください』。私は、挙手しました」
───どっちですか!
愛「だってお金ほしいですもん! ふざけて両方に挙手したのではなく、真剣にどちらも追い求めたいと感じたから挙手したわけです。要はやりたいことをやって儲けたい、という。それができるんじゃないか」
『働き』たくない。
「仕事」という枠で誰かのもとについて「働く」のではなく、「やりたいことを達成」しながら、いかにうまく「お金を稼ぐか」を考える場。
遠くから見たらもちろんどちらも「仕事」なんですが、心構えが違っています。
愛「ニートっぽいなって人もいたし、アーティスト風の人もいました。スーツの人も結構いました。8、9割の人は普通の服装の人。男性が8〜9割」
───世間一般の「ニート」像と、少し違いますかね。
愛「でも寝てる人いましたよ。隣のスーツの人が睨んでて。真剣に来てる人もいました。この中でマジのニートってどれくらいかな?とか他の人が話していたり」
愛さんのとなりには、元ホストの方がいたとのこと。本当に多様な人がいたようです。
最初、説明会が募っていた人数は100人。
ところが、会場に集まったのは200人、ネット中継参加した人が1000人。多い!
主催は最初、20名くらいしか来ないだろうと考えていたようです。
●スマホをいじりながらの説明会
愛「会場ではQRコードがスクリーンに提示されてて『ここにアクセス!』。Twitterみたいな掲示板がでてきました。そこで適当に名前を登録」
───本名確認がない?
愛「匿名のままが多かったですよ。誰でも入れちゃうんじゃ?」
───話を聞きながら掲示板に発言するんですか?
愛「そうです。『このインターフェイスはダサすぎる。5万くれ。俺が作り直す(匿名)』とかいう書き込みも出ました。その発言で、いろんな能力を持つ人たちが来たんだな、ってこともわかりました」
───説明会でみんなケータイ・スマホいじってるんですね。
愛「掲示板の流れがスクリーンに映されていました。2chなんかで『こうやってカモを集めて詐欺るんだろ』みたいな意見があったらしいです。司会の方が『ぼく2ch苦手なんで見たくなかったんですけど……』と言いながら『それはないです』と」
───疑念持ってる人もいたんですね。
愛「司会者さんが話すことに対してのツッコミが掲示板に流れました。たとえば『みんなで合宿をやりたいと考えています』と司会者さんが言います。そしたら『合宿費用は出るのか』『1円も出せない』『遠すぎて無理』とか」
みんなが熱心なわけではない。
特にお金の問題については、現実的な意見が飛び交います。
●日本はモラトリアム後進国?!
愛「スクリーンに満員電車の写真が映し出されました」
───えっ?
愛「司会の方が『満員電車に乗るのは苦しい』みたいな。で、この風景は、近い将来『こんなに悲惨だった!2000年代』といった歴史の教科書に載ると思ってるんですよ!ぼくは!という主張がされました。ここで会場笑う」
仕事社会「日本」を象徴するのが「満員電車」や「パーテーション分けオフィス」。
これをキーに持って来て、「働く」という意味を投げかけます。
愛「日本のニートと、北欧のニートの違いの話がありました。外国は、27から29才でようやく学業を修了。就職活動も卒業後からなんだそうです」
───29からっていったらえらい遅い……
愛「はい。日本で言ったら遅すぎるくらいですよね。そして大文字で『日本はモラトリアム後進国?!』」
すごいのかすごくないのかわからない! うまい釣りだなあ。
「わかるー」となるか「ふざけんな!」となるか。どっちにしてもなかなか心くすぐる言葉です。
・取締役は従業員ではない
・「雇う」「雇われる」をなくしたい
・ルールはみんなで考える
・固定給なし、ただし搾取もなし
・儲かったら、みんなが納得できるように分ける
これらが基本理念とのこと。
●ニートアイドル双葉杏chang
愛「参加者による挙手も活発になってきました。で、ある方が『そもそもこれは、同人サークルと何が違うんでしょうか』と言い出して」
───それは思いますよ。
愛「そこで挙手しました。『すみません、同人サークルという言葉が出てきたので便乗させてください。いまここで、私のできることを皆様に見ていただきたいと思います』」
───!?
愛「『今モバゲーで「アイドルマスターシンデレラガールズ」というゲームが配信されていまして、それに出てくるキャラに「働かないニートアイドル」がいます。その子を描いてきました』といってポスターを見せました」
───すごい度胸!
愛「会場も知ってる!とか沸きまして。『実は、ニートという記号を提示するために、この双葉杏ちゃんの帽子を持ってきました!かぶってもいいですか?』司会者さん『どうぞ! そのキャラ知ってます! 空気を読まずに自己アピールしてしまう姿勢!すばらしいです!』と言ってくださって、良い感じに会場がカオスになり始めました」
愛さん何仕込んでるの! 面白いじゃないですか。
『シンデレラガールズ』には「働かないニートアイドル 双葉杏」というキャラがいて、「働かないのにアイドルってなんだ!」と話題になっていました。
これで、拍手が起きたりしています。
その後、参加者の一人が司会進行を乗っ取ったりとハプニングもありましたが、様々な意見が出され、説明会は終了。
●今後のNEET株式会社(仮称)
愛「2013/09NEET株式会社(仮称)設立。希望者は全員取締役に就任。選考は……なし! 7/6に合宿か何かやるそうです。『このプロジェクトに参加するのか決めかねてる方も、もちろんいると思いますので、一週間後に履歴書に値するエントリーシートのメールを送ります、そこで決めてください』」
───いきなり合宿とか怖くないですか?
愛「オフ会の延長と思えば……。交通費出ればの話ですけど。実費なら行かない。いけない」
───なるほど。みんな声掛け合うくらい積極的なのですか。
愛「声かけあえられる人もいれば、まったく参加できてない方もいると思いますよ。むしろこの雰囲気についていけない方もいたはずです。みんながみんな「やるぞー」って感じでは多分なかったかと。なので、絞られるのではないでしょうか。意見言いたいのに、性格的雰囲気的に言えない方もいたでしょうし」
説明会でもまだまだ未知数の「NEET株式会社(仮称)」。
多分紆余曲折はあるでしょうし、実際参加する人も限られてくるでしょう。
ただ、集まった人たちはかなり現実的に物を見ているようです。
一つでも面白いものが生まれたら、これは面白いことになりそうです。
(たまごまご)