テレサ・テン生誕60年  台湾中部の生れ故郷で記念イベント

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(雲林 30日 中央社)1月29日に生誕60周年を迎えた台湾の歌手、故テレサ・テンさん(1953〜1995年)の記念慰霊祭や歌謡大会が彼女が幼少期を過ごした中部・雲林県で行われ、生れた時ヘソの緒を切るために使われたハサミの公開や芸名の由来の紹介などを通して大勢のファンがこのスーパースターをしのんだ。

記念行事の会場となったのは雲林県褒忠郷にあるテレサさんの故居。三合院と呼ばれる伝統的なレンガ造りの古い建築で、県の歴史的建造物にも指定されている。

ここでは60年前の部屋の間仕切りや家具などが保存され、テレサさんの出生届けなどの資料が展示されるほか、外壁には幼児期から少女時代までの写真が飾られており、中にはテレサさんが5歳の時に自ら写真屋に足を運んで撮ってもらったものもある。この時は写真代として店先で歌声を披露したというエピソードが残っている。

また、テレサさんの中国語の芸名について、本名のトウ麗イン(トウ=登におおざと、イン=竹かんむりに均)は北京語で正しくは「ドン・リーユン」だが、みんながしばしば発音を間違えて「ドン・リー“ジュン”(均、君)」と言うので、漢字のほうをトウ麗君に変えて、これを芸名にしてしまったという話も紹介された。

政府の経費援助もあり、テレサさんの幼少時代がうかがえる「テレサ・テン出生記念パーク」の年末開園をめざして、現在家屋の改築工事が進められており、地元では観光促進につながればと期待している。

一方、台北市でもテレサ・テンさん生誕60周年記念展が開催されており、こちらは中正紀念堂で4月21日まで。入場料は250台湾元(約770円)だが、外国人も含めてテレサさんと同じ1953(昭和28)年生れの人は無料で参観できる。

また5月12日には同じく台北市内の多目的体育館、台北アリーナ(小巨蛋)での記念音楽会も予定されている。