東京で“特色”がある街はココ! 「○○な人が集う街」

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日本の人口の1割以上である約1300万人が住む東京都。

進学や就職などを期に、東京で暮らし始めると、まず驚かされるのが、それぞれの街の規模感です。

新宿や品川、上野などの大ターミナルは、それ単独でも地方の中級都市を凌(しの)ぐスケール。

尋常でない集積感があるからこそ、その街ならではの特色をもったところが多いのも事実です。

今回はターミナル駅周辺で、「○○な人が集う街」をいくつか紹介します。

■演劇好きが集う街・下北沢渋谷からも新宿からも至近なため、古くから住宅街として発展した下北沢。

個性的な商店街にはファッション雑貨や古着店なども多いため、若者からも人気の高い街です。

そんな“シモキタ”を特徴づけているのが、芝居というキーワード。

本多劇場をはじめ、民間の劇場のほか、世田谷区が運営する北沢タウンホールなど10以上の劇場があり、一年を通じて有名俳優の出演するステージから、実験的な小劇団の公演までが行われています。

毎年2月にはこの街の風物詩となっている「下北沢演劇祭」があり、今年も9劇場に28劇団が集まって23回目の開催が予定されています。

劇団関係者が多いことから、公演終了後に立ち寄れる深夜営業の店が多いのも特徴。

俳優さんや芝居好きな人たちが集い、朝方まで熱っぽく演劇談義に花を咲かせている場面が見られるかも知れません。

■家具好きが集う街・目黒/学芸大学目黒駅から徒歩10分ほどの大鳥神社交差点から柿ノ木坂陸橋付近にかけての目黒通りには、別名“インテリア通り”と呼ばれるほどに家具・インテリア雑貨のショップが集まっています。

その品ぞろえも、アメリカンヴィンテージや北欧系のセレクトショップ、若手デザイナーズによるモダンデザインやナチュラル系など、ショップごとに個性が際立っています。

量販店の家具と比べればお値段は高めですが、約3kmの区間に30数店舗が点在しているので、デザイナーごとの志向性や輸入家具ならではの個性の違いを見比べるだけでも楽しいもの。

散歩がてら訪れてみて、インテリアへの造詣を深めてみるのもいいでしょう。

最寄り駅は目黒または東横線の学芸大学。

■サブカル系の人々が集う街・中野“サブカル発信の地”といえば有名アイドルグループの活躍もあり、秋葉原が圧倒的な知名度を誇りますが、西の雄とでもいうべき存在が中央線沿線の中野。

1966年に高級マンションとショッピングセンターを併設した複合施設としてオープンした「中野ブロードウェイ」が、サブカル系ショップの一大拠点になっています。

きっかけは、1980年にマンガ古書販売店がテナント入居したことだというから、案外歴史は古い。

現在では、約320のテナントの4割以上がサブカル系のショップになっており、アニメ・マンガ関連のほかコスプレ、フィギュア、プラモデル、鉄道関連、ミリタリー、音響・映像機器など、オールカテゴリーで、コアなファンの心を刺激してくれます。

秋葉原と違って便利なのは、4フロアの一施設にぎっしりと集まっているので、雨の日でも大きな移動なしにサブカルを堪能できること。

また、地元の商店街とも共存しているので、サブカル魂を満たしながらすぐ近くに住むにも無理のない街です。

■カレー好きが集う街・神保町神保町といえば、世界一の古書店街として知られますが、明治以来の学生の街であることから、安くてボリューム感のあるグルメの街としても知られています。

トンカツ、天丼、ラーメンなどの老舗が有名ですが、実は東京随一のカレー店の集積地としても知る人ぞ知る街。

懐かしい雰囲気の老舗洋食店やワンコインで楽しめる学生向けの食堂から、欧風、インド風、東南アジア各国にアフリカ系など、エスニカルなテイストが味わえる専門店など、およそ50店以上がカレーを看板メニューに味を競っています。

この狭いエリアに、これだけのカレー店が凝縮されている街は東京でも珍しいはず。

具材はもちろん、スパイスの組み立てでまったく風味が異なるのがカレーの奥深さ。

そんな、カレー通になるための食べ比べの街として、神保町を再発見できるかも知れません。

文●前野 公彦(エフスタイル)