各放送局が青少年に見せたい番組はこれだ

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少し前になるが、9月20日に日本民間放送連盟賞が発表された。最優秀賞は以下の通り。




●ラジオ

報道:北海道放送『凍えた部屋〜姉妹の“孤立死”が問うもの〜』

教養:中国放送『核と向き合う〜ヒロシマからフクシマ〜』

エンターテインメント:琉球放送『復帰40周年特別番組 ラジオドラマ「40才のタンカーユーエー」』

生ワイド:東北放送『ロジャー大葉のラジオな気分』

CM第1種(20秒以内):朝日放送『二階堂酒造 大分むぎ焼酎二階堂/好きな音 篇(20秒)』

CM第2種(21秒以上):ニッポン放送『統一キャンペーン・スポット/守ろう地球環境「出席簿」篇(40秒)』



●テレビ

報道:東海テレビ『死刑弁護人』

教養:読売テレビ『仰げば尊し』

エンターテインメント:フジテレビ『ほこ×たて』

ドラマ:WOWOW『開局20周年記念番組 三谷幸喜「short cut」』

CM:中京テレビ放送『公共キャンペーン・スポット/イメージCM「忘れない」篇(120秒) 』



●技術部門

日本テレビ放送網 位相調光制御対応LED駆動装置の開発およびフラッドライトの実用化




●特別表彰部門

青少年向け番組:長野放送『NBS月曜スペシャル 大きくなあれ 〜蓼科の高原学校・70日間の成長日記〜』

放送と公共性:テレビ信州『武道必修化による柔道事故について』


そのほかに優秀賞なども発表されているが、おおむね世相を反映したものとなっている。ただテレビエンターテイメント部門の「ほこ×たて」は、企業とのタイアップ番組に食傷気味な中で、新たな切り口を見つけたもので、発想次第ではまだまだ可能性を感じさせた。




そして注目したいのは「青少年向け番組」だ。長野放送が受賞し、番組内容の概略が書かれているが、「いかにも道徳的」と思わせる番組のようだ。




放送倫理・番組向上機構(BPO)では、単発番組や特別番組等を対象に、テレビ局各社が推奨する「青少年へのおすすめ番組」を掲載している。最新の2012年10月のNHK、在京、在阪は以下の通り。



●NHK

NHK総合『地球イチバン スペシャル 宇宙にイチバン近い場所』

Eテレ『仕事学のすすめ 太田光代 4回シリーズ』

NHK-BSプレミアム『欽ちゃんの東北びっくりグルメ AtoZ!』

NHK-BS1『アスリートの魂 無心で前へ 大相撲 枡ノ山大晴』



●在京民放

TBS『日本を襲う異常気象もう常識は通じない!都市災害から命を守る10の鉄則SP』

日本テレビ『リアルワールド・理由・間寛平 被災地を走る(仮)』

テレビ朝日『そうだったのか!池上彰の学べるニュース 4時間SP』

フジ『脳活アップデートQ!スマートモンキーズ!!』

テレビ東京『じゃぱんセールスマン!』



●在阪民放

毎日『ちちんぷいぷい学園祭 〜みんなで応援し"ちゃー"う SP〜』

朝日『ドキュメンタリースペシャル 天下人が恐れた大地震』

関西テレビ『ドキュメンタリー 夢の途上-文楽・人間国宝の弟子たち
-(仮)』

テレビ大阪『観光スポットは町工場!?〜東大阪おっちゃんの挑戦』




このほかの地域放送局でも推奨されているが、圧倒的に多いのはドキュメンタリーやノンフィクションだ。バラエティやドラマが推奨されることはあるものの、番組数に比例しているとは言いがたい。もちろん時間帯によっては視聴する世代が変わり、青少年だけに向けた番組ばかり放送するわけにはいかない。それでもこの偏りは、各放送局にとって痛し痒しの面があるのではないだろうか。ちなみにフジテレビの『ほこ×たて』は、ここでも何度か推奨されている。同社が胸を張って推奨できる番組のひとつのようだ。




また推奨番組にロンドン五輪や高校野球をはじめ、各種スポーツの中継を挙げている局も多い。たしかにスポーツ中継と言えども、局の演出や工夫は皆無ではないので、番組と言ってもよいだろう。しかし局によっては多くがスポーツ番組のところもある。安易な寄りかかりではないだろうか。一から作り上げた番組を推奨して欲しい。