70年代の暗い排ガス規制時代を抜けて、80年代はエンジンパワーが一機に開花しました。「280馬力自主規制」が設けられるくらい、エンジン技術は大きく進化していきました。
まず筆頭は、やはりスカイラインGT−Rでしょう。直6・2600ccエンジンにツインターボを武装して楽々280馬力を達成、更に可変制御の4WDシステムを搭載して、レースに勝つために最高の技術と情熱を注入したGT−Rが復活しました。
ただそのスカイラインも2代遡ると、直4エンジンのためにGTを名乗ることが許されなかったRSモデルがありました。それでもターボやインタークーラーターボを矢継ぎ早に繰り出してハイパワーを達成!日産開発陣の意地を強く感じたモデルでした



日産ではフェアレディZも独自の進化を遂げていました。3代目では、日産初V型エンジンを搭載してきたのです。
80年代の日産は、V6をZに、直6をスカイラインに搭載していましたから、何と贅沢な時代でしょう。またVGエンジン専用ボディの4代目Zは、今でも日本屈指のデザインだと思っています。
ちなみに280馬力自主規制は、このZが積んだ3000ccのVGターボの馬力が基準になったのだそうです。



一方トヨタのハイパフォーマンスカーは、直6でした。先陣を切って登場したのが、セリカXXでした。純白のスーパーホワイトをまとった、ロングノーズとリトラクタブルライトのボディは抜群にカッコ良く、アメリカンテイストを発散していました。
次のスープラでは、トヨタ3000GTと銘打って登場。新聞広告で見た時には、ジ〜ンと感慨深く感じたコピーでしたが、なぜだかすぐに御蔵入りしちゃいましたね。なおスープラは、2500ccツインターボ仕様で280馬力を達成しました。



さて馬力が自主規制上限に届かなくても、80年代には個性溢れるモデルがいくつも存在していました。
ロータリーで一世を風靡した初代マツダRX−7は、得意先のアメリカ市場で、悪燃費のためイメージ凋落の憂き目にあっていました。しかし2代目ではエンジンもプラットフォームも一新、発売当時はポルシェ924・944のそっくりさんとか言われましたが、さにあらず。ロータリーエンジンならではのパッケージングで、見事コーナーリングマシンとして再起を果たしたのです。


また三菱からは、直4ターボに4WDを組み合わせたスタリオンが発売されました。ただリトラクタブルの市販車よりも、ショートノーズと固定ライトのラリー仕様の方が、迫力があってカッコ良かったと言ったら叱られるかな?
番外ですが、スバルからは、水平対抗ターボに4WDを組み合わせたレガシィツーリングワゴンが発売されました。低重心と4WDによる安定性とワゴンの機能性、そしてハイパワーな高速走行性を備え、新しい価値を産み出したクルマでした。


80年代のハイパワーエンジンを振り返ると、直4・直6・V6に加え、水平対抗にロータリーと、全てのエンジン形式にターボ仕様が用意されていました。他国には、断じて真似のできないメニューですよね。「さすがは自動車大国ニッポン!」と、改めて誇らしく感じた次第です。


(拓波幸としひろ)




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