最近のクルマの多くは、燃費を向上するためのエコメーターが備わっています。ほとんどが、そ〜っと運転すると緑色のマークが点灯するようになっていて、それが結果的にガソリン消費を減らすという狙いです。


 


そして、6月末のマイナーチェンジで新しくなったデミオにもエコ&ファン・トゥ・ドライブをサポートする「i-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)」というメーターが搭載されました。ちなみに採用は、新開発されたスカイアクティブ・エンジンを載せるトップグレードの13-SKYACTIVだけですけれど…。


 


スピードメーターの右にi-DMは表示される


で、このi-DMというメーターですが、試してみると、今まであるエコメーターとぜんぜん違うことに気付きました。


飛ばしてもいいんですよ(笑)。


おっと、これだけでは問題がありますね。では、広報用に配布された動画を見てください。


 


この動画にあるように、運転を3つの色で評価します。優しくてエコな運転のときはグリーン。ギクシャクした運転はホワイト。スムーズな加減速&コーナリングのブルー。この中で最も理想的なものがブルー。次に良いのがグリーン。ダメなのがホワイトです。そして運転終了時に5点満点で点数評価を行います。そして上手な運転(4.75以上)が5回続くと、より厳しい評価にステージアップ。ステージは5つもあり、ちょっとしたゲーム感覚で運転が楽しめるのです。



これの特徴は、「いかに滑らかであるか」を大切にしていて、「ガソリン流量は測っていない」「加速度の最大値は関係ない」という評価方法にあります。


そのため、滑らかな加速とハンドル操作であれば、少々ペースが速くてもOK! 従来あるエコメーターのように、ひたすら我慢を強いるものではないのです。走る歓びを大切にするマツダらしい、なんとも楽しい評価軸じゃありませんか。


 


そんなi-DMの開発を担当したのが、2008年入社の川原直人さん、27歳です。


 


i-DM開発の担当者、川原さん


「マツダとしては、“燃費だけじゃない、走りの楽しさを知ってほしい!”という考えが、このi-DMに表れています。具体的には前後の加速度は4輪の車軸センサーを微分して導きだします。左右のGは車速とハンドル舵角からの計算です。ガソリン流量や加速度の最大値は関係なく、そこに至るまでのスムーズさが大切という評価です。急激な操作がないということが運転の巧さになり、それが最終的に安全につながると考えています」と川原さん。


ちなみに川原さんが開発に加わったのは1年ほど前。その時点では、車体にかかる加速度の大小を液晶で表示するのみ。評価の方法も見せ方も何もなかったとか。それからデミオの発売時期をゴールに見立てて、全力疾走で作りあげたというのです。


とはいえ、i-DMは生まれたばかり。この先どうなるかは、まだまだ未定だそうです。


「開発者の思いとしては、もっと他の車種にも載せてほしいんですよ」と川原さんは言いますが、他車種に展開されるかどうかはマーケットの声次第のよう。


「面白い!」と思うか、「うざい!」となるかは使ってみてのお楽しみ。


ぜひとも、みなさんも体験してほしいですね。そして、それが最終的に開発者の思いに応えることになるのです。


デミオの公式サイトはこちら>>> http://www.demio.mazda.co.jp/


【画像&動画がすべて見られない方は】http://clicccar.com/2011/07/23/44910


<鈴木ケンイチ>


 


 


 




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