「よいものはカタツムリのように進む」 ガンディーの教え

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 「ほんとうの非暴力の道を選べば、暴力よりもはるかに多くの勇気が必要になります」

 言葉は使い方によって凶器にもなりうることもあるが、人を幸せにもする。
 武器を持たず、数々の言葉をうまく使い、インドを独立へと導いた人物がいた。その人物とは、マハートマ・ガンディーだ。
 冒頭の一文もガンディーの残した言葉の一つである。

 ガンディーは、イギリスの巨大な力に対し、武器をいっさい持たない「非暴力・不服従運動」で3億5000万人の民衆を指導し、立ち向かった。そして1947年、インド独立を勝ち取る偉業を達成し、「インド独立の父」と呼ばれるようになった。
 本書『ガンディーの言葉』(マハートマ・ガンディー/著、鳥居千代香/訳、岩波書店/刊)では、ガンディー自身が1904年に発刊した新聞「インディアン・オピニオン」や、『自叙伝−わたしの真理実験の物語』といった様々な書籍から、数々のガンディーの言葉が選ばれている。
 ガンディーの生い立ち、ガンディーが生きた時代、宗教観などに加え、訳者の鳥居千代香による訳者からのガイドで、ガンディーがどんな考えを持った人物だったかを知ることができる。

 本書の中に出てくる言葉の中には、何かきっと読者の心に残るものがあるはずだ。そして、何か行動を起こすときに、その言葉を心に留めておいたら、力になるかもしれない。
 例えば「この世に生きるということには必然的になにがしかの暴力が含まれますが、私たちは、それが最小限で済むような道を選ばなければなりません」というガンディーの言葉がある。これは国と国との間のことだけではなく、個人と個人の間でも活かすことができる言葉だ。

 ガンディーは『ヒンド・スワラージ(真の独立への道)』の中で「よいものはカタツムリのように進むのです」と言っている。最悪な状況でも少しずつでも前に進めば、明るい未来が開けるはずだ。
(新刊JP編集部/田中規裕)

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