チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の目玉、アーセナル対バルセロナ戦。16日に行なわれたファーストレグはアーセナルのホームゲームで、昨年の準々決勝と同じ順序だ。昨シーズンは2―2の引き分けに終わったアーセナルが、今季は2―1で先勝した。

 両チームとも、メンバーの入れ替えは多少あるものの、昨季と同じ陣形。目立った変化は、イブラヒモビッチの抜けたバルセロナが、右サイドからセンターにメッシを移し、ペドロが左から右へ、左には新加入のビジャを配したことと、昨季は欠場したイニエスタが中盤に戻り(昨季はS・ケイタ)、攻撃力が増したこと。一方のアーセナルは、これも昨季はケガに泣いたファン・ペルシが1トップとして復帰(昨季はベントナー)したことだ。

 試合は、バルセロナがボールを支配する予想通りの展開となったが、バルセロナの足がやや止まった終盤に入り、アルシャヴィンとベントナーを投入して攻撃を厚くしたヴェンゲル監督の采配がピタリと的中、逆転勝利につながった。

 ヴェンゲル監督はフランス通信(AFP)に「この結果によって、信念をもってバルセロナに乗り込める(…)。我々の理念に忠実であることが必要だ。すなわち、バルセロナでもゴールを狙いに行くということだ」とセカンドレグでも攻めの姿勢で行くことを確認した。

 「真の勝利」と胸を張ったナスリもまた、「自分たちのプレーをするだけ。僕らはほかの戦い方など知らないんだから。リードされている相手は攻めてくる。そうすればカウンターを狙えるスペースができてくる」と強気に攻め込む気構えを見せる。

 昨季のセカンドレグでは、メッシの4ゴールという驚異的な活躍で、バルセロナがアーセナルを粉砕した。しかしアーセナルが警告累積と故障でベストメンバーを組めなかったのもたしか。今回は逆にバルセロナがピケ、プジョルの両センターバックを欠く見通しとなる。3月8日の次戦はより白熱した戦いが期待できそうだ。