【優雅な神々の秘め事】ギリシャ神話 怪物の父デュポン

皆様こんにちわ。「優雅な神々の秘め事」のお時間がやってまいりました。
え〜……今回は前回に引き続き、ギリシャ神話に出てくる怪物のお話です。
何で続けて怪物の話なんだって？
神様の話ばかり不公平だ！我々怪物達の紹介位しろっ！！っと、怪物の父であるデュポンに怒られましてね。。。
夢でうなされるのもなんですから…(ぇ
それではデュポンの居る所へ行きましょうか。

あ〜、皆さん暗いんで足元お気を付け下さい(汗
テュポンの産まれの説は色々御座いまして……

・ガイアの息子であり、一説にはタルタロスとの間の子
・夫のゼウスの浮気癖に怒ったヘラが、夫を懲らしめる為にクロノスから貰った卵から産まれた
・ヘラが一人で産み、ピュートーン(巨大な蛇)に育てさせた

と、大きく分けて3種類の説があるんですね。

大体伝えられているものは、1つ目のガイアの息子説。
彼は星にも届く巨体で、頭が100あり(一説には1000とも言われている)、ライオンのように吠え、目から火を噴出し、下半身は蛇だといわれております。
目から火を出すって……神話の世界の攻撃方法は凄いですねぇ……(滝汗
アニメの世界でビームが出るとかってこう言う所から発想がきてるんだろうな＾＾；

……で。
怪物の父と言われている彼ですが、一体どんな怪物を産んだのか？
デュポン妻はエキドナと言う怪物で、その妻との間に産まれた子供の数は9匹。

・キマイラ(♀)
・ケルベロス(♂)
・オルトロス(♂)
・ヒュンドラー(♂)
・クリュンヌ(♀)
・デルピュネー(♀)
・パイア(♀)
・金羊毛の番竜(♂)
・刑場の山鷲(♂)

ですね。

皆様の馴染みのある怪物名があるので、説明しなくてもある程度お分かりになるかと……。

って、前置きが長くなり過ぎましたorz
彼の有名な話って皆さん知ってますかねぇ？

今回はこの神話をお見せ致しましょう。
このコラムの第1回目の時に少しお話を致しましたが、ティーターノマキアー(ティタン戦争)の話まで遡ります。
何十年とかけてクロノス率いる巨人族とゼウス率いるオリュンポス勢の戦いと言っていたのを覚えてらっしゃるでしょうか？
この時、巨人族はオリュンポス勢に負けたと言いましたよね。
そしてその後ガイアがデュポンを産み、ゼウスの下に送り込ませて再び戦争が始まった……と。
この戦争……と言うより戦いですが、前半戦はゼウスとデュポンの一騎打ちとなりました。
……何故かって？？
デュポンの姿形に驚き、他の神々達は動物に姿を変えてエジプトの方へと逃げたと言われています。
だからエジプト神話では神々は動物の姿をしているのだとか……。
ま、これはエジプト神話の時にお話しましょう(汗
神々が逃げる中、ゼウスは一人武器などを駆使してデュポンと戦います。
……が、シリアにあるとある山に追い詰められるゼウス。
ついにデュポンに返り討ちに合い、武器を全て取り上げられ、手足の腱を切り取られて、コーリュキオンと言われる洞窟の中に幽閉されてしまいます。
そしてゼウスの腱を熊の皮に包み、番人として半獣の竜女デルピュネーを置いて、自分は母ガイアの元へ傷を治しに戻ったと伝えられております。
え〜……自分が道に迷っていなければ、確かこの辺の洞窟のはずなんだけれどもっと…(滝汗

あ！！此処がそうですね。
怖いけどちょっと綺麗な女性が其処に居ますよ。
っと、あっちから誰かやってきますねぇ…。

ヘルメス：其処の女性の方？ちょっとお尋ねしても宜しいでしょうか？
デルピュネー：あら？こんな僻地になんの御用かしら？？
ヘルメス：私目はデュポンに言われて此処までやってきたのですが、包みのものを持ってくるように頼まれまして。申し訳無いが渡してくれるだろうか？
デルピュネー：本当かい？
ヘルメス：えぇ。貴女は此処に閉じ込められてるゼウスを見張る為に動けないでしょう？
デルピュネー：そうだけどね…まぁ良い、ちゃんとデュポン様に渡しておくれよ？
ヘルメス：了解です。それではこれはお預かりしますね。そして貴女は此処までですよ。

ぴゅっ…ドサッ。

パーン：僕の吹矢は上手く当たったかい？
ヘルメス：あぁ、とりあえず起きる前に早くゼウス様をお助けせねば！！

その後、手足の腱を取り戻したゼウスはヘルメスとパーンの治療のお陰で力を取り戻し、武器を手に再びデュポンとの戦いに挑んだ。
深手を負わされたデュポンは急いで勝利の女神モイラ達の所へとやってきた。

デュポン：おい！モイラ！！この俺に今すぐ勝利の果実を渡すんだ！！
モイラ：渡せと言われても……あれは神々の宝物であり、そう容易く手渡すわけには……
デュポン：グダグダ言わずに持って来れば言いだけだろう！それともなんだ？痛い目にあいたいか？？
モイラ：………。仕方ない、持って来ましょう。そこ！アレを持ってきなさい、アレですよ？！
そうそうコレ…ってコレ違う(滝汗
誰が私のコレクションのねんぷちを持ってくるんですか！！
そうそう、これの事ですよ！！ホントにもう…。ちゃんと手渡しましたからね？
デュポン：素直にこうやって持ってこれば良いのだ。手間をかけさすんじゃない。

ふむぅ…強引なヤツってやっぱり嫌いだ(ｦｨ

モイラ：其処のお方、大丈夫よ。手渡したのは勝利の果実じゃないから。
あ、言っちゃダメよ？ｗ

ありゃ(笑
どうも自分の心の呟きは神々に聞こえるようで…(苦笑

【勝利の果実】と信じきってその果実を食べたデュポン。
とたんに力を失い始めました。

デュポン：おい！！何で俺の力が無くなっていくんだ！！

実は女神が渡した果実は【無常の果実】といって、決して望みが叶う事の無い果実でした。
それを知ったデュポンはゼウスから逃げるに逃げ、シケリア島に逃げたが追い詰められてしまいました。
形勢逆転ですね♪←
追い詰められたデュポンはゼウスの放つ雷に直撃し怯んでしまいます。
その瞬間にゼウスはエトナ火山を投げつけて、デュポンを下敷きにしました。
(一説にはタルタロス(地下牢獄)に放り込まれたとも言われている)
彼は不死の魔人である為に死ぬ事は出来ない為、ゼウスは封印と言う形をとったのだそう。
それ以来、下敷きになったデュポンは重さから逃げんとしてもがいては、エトナ火山を噴火させるのだそうです。

はい、今回のお話はどうでしたでしょうか？
いつも以上に話が長くなってしまい申し訳ないです…。
だってだってちゃんと説明しないと、デュポンが毎晩夢枕に出てきては自分を睨むんですもん(泣
それなのに話は纏まらないし、纏めようとしても長くなる一方だし…orz
まぁ、そんなこんなですよ(汗
それでは皆様お帰りの扉はコチラで御座います。
またの機会お会い致しましょう。

■ライター紹介
【緑柳】
学生の頃に親から手渡された【星座の神話】がきっかけで、ギリシア神話に興味を持つようになる。それから各地方の神話も見るようになり、現在に至る。