ヨツアさん
第五回目となるyotuaの「心理的考察日誌」。今回のテーマは「アニメ」と「芸能人」について
さて、今回取り上げる「アニメ」という存在。その種類は実は様々で、現在あるセルアニメーションを活用した2Dアニメは勿論のこと、実写をコマ撮りで表現するストップモーションアニメまで含めると、その歴史は約100年前まで遡れる。
ちなみに日本アニメ史に燦然とその名を輝かす「鉄腕アトム」。日本初の1話30分連続アニメシリーズの作品である。

本作の放送開始は1963年。わかりやすく当時の時代背景を書き添えるならばアメリカ合衆国のケネディ大統領暗殺事件の頃と重なる。
そんな今から47年もの昔、渡米するにも一苦労という時代。
日本での放送から遅れること、わずか8ヵ月後には「Astro Boy」というタイトルでアメリカ合衆国でも放送開始をされている。

今でこそ、香港、タイ、台湾などでは日本での放送から約1週間程度の時差での各国翻訳版の放送が可能とはなっている。
ただ、遡ること47年も昔、今とは通信もそこまで充実していない時代にそんなにも短期間で、日本のアニメが放送されていたのかと考えると少し嬉しい気持になってくる。

さて、その「日本産アニメーション」。
国内はもとより海外での人気が高いにも関わらず、実は作品を支えるアニメーターの給料が作業量に反比例して尋常ではなく安い。
初任給での例をあげると、動画マンに至っては5万から10万が通常価格との話も……。
正直、普通の日本人が「文化的」な生活を営むためには、余程実家にでも身を寄せていない限りかなり生活に困る金額ともいえる。

そうした影響もあってか、最近のアニメではスタッフロールに中国や韓国の方々の名前を目にする機会が増えている。
つまり雇用賃金の安い海外に発注した方が、安定して人材を確保できるという訳だ。
また運がよければ、更なるコスト削減につなげることだってできる。

対して国内では、これまでのアニメ製作作業が海外に流出したことにより、日本アニメーターの育成に影を落とし始めている。
かつ、アニメ発展途上国での作業は一部にクオリティの低下もファンの間では囁かれている。


人気があるのに、コスト削減。
そもそも雇用賃金が最低レベルといっても良いほどの場合もあるアニメーターという職業に何故そんなにも追い討ちをかける状況が巻き起こっているのか?

アニメの収益は、本編アニメの放送よりも、その後の『グッズ』の売り上げに大きく左右される。
本編DVDが売れなければ、どれだけ本放送で人気を博したとしてもその後の続編すら制作が危ぶまれることだって大いにありえるほどである。

対して最近では、インターネット上には様々な動画サイトがあふれている。
それこそ本放送が行われたわずか30分後には、世界のどこかにいる誰かの手によって、まるまる一話が『誰にでも無料で閲覧できる状態』で公開されているのが現状。

コレクション性を重視している人は別として、そうして無料で見れる状態のものをわざわざ数千円かけてまで購入する人は一体何人いるのだろうか。
実際、某大人気アニメの続編では第1シリーズでは初回出荷数万枚を記録したにも関わらず、第2シリーズではたった3,000枚であったという話すらあるそうだ。


以前、麻生元総理が「117億かけてアニメ美術館を作る」と発言し話題を集めたことがある。
アニメを国際的なものにし、国益の上昇を狙ってのことであり、アニメ好きだからという考えではまず無い
だが、わざわざそれだけの予算をかけて作る必要性はないし、本気で乗りかかるなら別の手立てはたくさんあるのではなかろうか?と個人的には思える。

上記の事により、アニメの収益低下による質の低迷は否めないし、アニメーターが育たないという悪循環が生まれている。
見ている側にとっては質の悪いアニメは見たくも無いし、作ってほしくないと願っている。


話は変わるが、芸能人が何らかの話題で報道されている事が多いが、過剰なまでに宣伝している人でなければ視聴率は取ることが難しいとされている。
メディアとはそういうものであるし、視聴率が良くなければ広告料も入らないという事を考えれば、過剰に報道されるというのは有りであると考えられる。

勿論、企業側にとっても、話題になった人を取り上げれば視聴者は見るであろうし、あの人が宣伝しているCMの商品だとすぐ分かる。
実はマスコミ報道に踊らされて商品を購入しているものが大半を占めてる。
その芸能人の一部がアニメの映画化などで豪華声優陣として使われているケースが多い。

そもそも、声優は「声」の専門家で、芸能人は「宣伝」の専門家である。

企業としては「宣伝」に力を入れるか「アニメ」自体に比重を置くかになってしまう。

勿論、話題性・集客性を考えれば圧倒的に芸能人を使って宣伝するのが断然良い。
他のマスコミに取り上げられるケースも高く宣伝効率は非常に高い。
しかし、それはあくまで一般の人を対象としている場合であり「アニメ映画」として売るのであれば、声に力のある声優を使うべきである。
芸能人が声優の役目を果たしてしまうのであれば、仕方ないが、そのまでのレベルには決して達していない。

今後、一般を対象としているアニメは芸能人を多用してくる気がする。
アニメファンからすると非常に残念としか言えない。やはり豪華声優陣であれば、声優の大御所を使うべきだと思う。

例えば、アニメ映画の宣伝に芸能人を使って宣伝させるという手は使えないだろうか、コストも安くなるし、宣伝も効果的になると思う。

色々と考えていくと、このままではアニメ自体の質の低下、アニメ映画での芸能人多用によるコスト上昇
それに伴う声優さんの仕事激減など起こりかねない、つまりはアニメ業界の衰退を表している気がしてならない。

■ライター紹介
【yotua】
高校時代から趣味で小説を書いていたが、言葉の表現に苦しみ最近は全く書けていない。
大学時代に学んだ経済学や心理学の知識なども含め
人の行動や人の考え方を客観的判断し、物の考察を自分なりに考えるようになり、現在に至る。

 



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