意外と古い? 抹茶アイスの起源

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秋も深まり、もう巷ではコートを着出す人もいるほど。場所によっては、ヒーターやこたつなしでは過ごせない…というところもあるだろう。食事でももそうめんや冷やし中華から、温かいスープや焼き芋を口にすることが多くなってきたのではないだろうか。
しかしながら、寒い季節には寒い季節なりにアイスの売り上げが伸びることをご存知だろうか。秋や冬、こたつで温まりながら口にするのがお似合いの、味わい深いとある風味のアイスにまつわる裏話をお教えしよう。

これからの季節のアイスといえば、どちらかというとジェラートやシャーベットなどの「氷菓」より、よりミルクやチョコレートなどの味の濃いマッタリとしたものの方が好まれるようだ。スーパーやコンビニなどで販売されているアイスのラインナップを見ても、乳脂肪分の多いアイスが多いのがわかる。近年はさまざまなフレーバーが発売されているが、根強いフレーバーはやはりバニラ、チョコレート、イチゴ、抹茶だと思われる。

さて、これらの定番のフレーバーの中でも、やや異質な印象を受けるのが抹茶味だ。アイスクリームは本来外国のデザートであり、そんなデザートと「超・和風」と言っても過言ではない抹茶味がここまで現在のアイス業界に受け入れられているのは不思議だ。とはいえ、時にはチョコやギュウヒでコーティングされつつも、冷凍庫の中でコンスタントに愛されている抹茶味アイス。いったいその起源はどこにあるのだろうか。

どうやらその起源は諸説あるようだ。ひとつは「サーティーワンアイスクリーム説」。おなじみのアイスショップ・サーティーワンが1986年に抹茶味のアイスを発売したことがきっかけでブームが起こり、その流れでメーカーが抹茶アイスに力を入れだした、という説だ。抹茶の成分が健康にもいいと明らかになってきた頃であり、この時期に抹茶アイスが多く出回り始めたのは正しいようだ。

しかし、「起源」となるとさらにさかのぼる事約30年。京都の矢野自作園が日本で始めて抹茶ソフトクリームを出したという説があり、それが「抹茶アイスの最古」と言ってもよさそうだ。当時はアイスクリームもさほど市民権を得ておらず、そんな中で主人が「もっとお茶を口にしてもらいたい」と開発したものだという。周囲の反発を押し切って当時としては高価な機械を導入し、世に生まれた抹茶ソフトはたちまち大人気に。140円というリーズナブルな価格も人気の理由のひとつのようだ。

古都で誕生し、半世紀が過ぎて、日本ではもはや市民権を得た抹茶アイス。日本通の外国人にも好まれるようで、根強い人気はまだまだ溶けそうにないだろう。

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http://www.photolibrary.jp/

(Written by 澁澤すい)

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