総務・人事が迫られたパンデミック対策〜新型インフルエンザがもたらした新たな“恐怖”
 4月下旬に発生した新型インフルエンザは、事前に対策を講じていた企業や未対策の企業も含めて相当の混乱ぶりを呈したようだ。

 メキシコでの豚インフルエンザ発生を受け、WHO(世界保健機関)が6段階の警報フェーズのうち、フェーズ4(ヒト−ヒト感染が増加している)に引き上げたのはゴールデンウィーク前の4月28日だ。さらに30日には、フェーズ5(かなりの数のヒト−ヒト感染がある)に引き上げた。(編集委員 溝上憲文)



弱毒性対策の備えのない企業が大半

 連休前の突発的事態に企業の総務・人事担当者は緊急の対応策を迫られたが、情報が少ないためにどうしていいのかわからず厚生労働省にも問い合わせが殺到した。

 事前にBCP(事業継続計画)を策定していた企業でも本来、社長などの役員を中心に対策本部を立ち上げることになっていたのだが、実際の対策は強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)対応がほとんど。

 それをそのまま当てはめていいのか迷った企業も多かった。現実に「対策をどうするかを巡って議論をずっとしているうちに弱毒性とわかり、対応を変更した企業が多かった」(リスクマネジメント会社のコンサルタント)という。

 これは何も企業だけではなく政府も同様だった。厚労省は08年7月に「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(改定案)」を公表。さらに今年2月には正式にガイドラインを公表していたが、政...(もっと読む

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