失業率が高まる中、新たな雇用として注目を集める介護分野だが、これまでも離職率の高さが課題となっている。求人情報サービスを提供するインテリジェンスの調査で、介護職従事者が仕事を辞める最も多い理由が、「仕事の割に給与が低い」であることが裏付けられた。

 「医療系」「介護系」「理美容系」職種の有資格者に、仕事を辞める理由について聞いた質問で、「業務内容の割に給与が低いから」が「介護系」(30.5%)、「理美容系」(23.2%)で最多となった。

 「医療系」でも20.8%と、「職場や社員の雰囲気が悪いから」(29.0%)に次ぐ多数回答となっている。また、「1日に働く時間が長いから」についても、「理美容系」23.2%、「医療系」18.1%、「介護系」16.0%と、いずれも「全職種平均」(11.0%)を上回っている。

 今後、新たな雇用の受け皿として介護従事者を増やそうとするならば、まずは賃金の改善が求められるだろう。

 調査は、2009年8月11日〜22日、関東(1都3県)、関西(2府2県)に住む20〜50歳の男女で医療・介護系と理美容系の有資格者を対象に就業に関する意識を聞いた。

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