企業向けメンタルヘルスサービスのセーフティネット(東京都千代田区、山崎敦社長)は、うつ病や抑うつ状態などの精神的疾患で長期休職していた社員の職場復帰をサポートする「復職支援プログラムRe-Start Evaluation Program(R-STEP)」を開発した。

 山崎社長は、海上自衛隊出身で退官後にメンタルヘルスケアを事業とする同社を2001年に設立した。同社のカウンセラーに加え、弁護士、社会保険労務士、看護師、栄養士などがメンタルヘルスの問題にとどまらない「よろず相談」を、約400社の会員企業の社員から受けながら、うつ病の予防に取り組んでいる。

 山崎社長は「自ら“うつ病”かもしれないと相談してくる人は12%です。相談内容で一番多いのは家庭問題で23%。仕事のストレスやプレッシャーではなく、家庭問題や職場の人間関係がメンタルヘルスには深く関わります。社内に相談室を置く企業も増えていますが、社内では相談したくないという人も多い」と話す。

 同社は、これまではうつ病の予防対応に注力してきたが、企業から「復職支援」の相談が増えてきたこともあり、復職プログラムを開発した。

 うつ病などで概ね1カ月以上長期休職し、主治医から「勤務可能」の診断書が出された社員を対象に、企業へのヒアリングや本人との面談、同社が提携する精神科専門医の診断を経た後に、次のプログラムを実施する。

 ?対象社員が自己管理能力やストレス対処法を習得する『Re-Startプログラム』を受講(週1回、各5時間を3回実施)
 
 ?提携精神科専門医による「総合判断書」を企業に提出

 ?復職可の場合、「復職プログラム」もしくは「復職のための望ましいプラン」を企業に提案

 ?復職後3カ月間、カウンセラーによる週1回の定期的な面談

 費用は1人30万円からで、年間100人程度の利用を見込んでいる。

 山崎社長は、「設立当時は、メンタルヘルスやうつ病の話を外部に出したくないという考え方が企業には強かった。ところが状況は一変し、もはや社内だけで解決できる問題ではなく、社外に相談できるところを真剣に探している企業が多くなりました」と企業の取り組み状況の変化を話している。

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