ドメネク監督が9日、代表の合宿先で開かれた記者会見で、メンバーに選ばれなかったダビッド・トレゼゲ(ユベントス)が不満をもらしたことに答えた。ドメネク監督は「思っていることを正直に話し、自分の価値を感じている選手は好きだよ」と前置きしたうえで、「代表には自分の場所がある」というトレゼゲの主張に対し「同感だが、ほかの選手にも場所はある」とやり返した。

 「彼に力がないなどとは言っていない。私は自分なりの選択をしたまでだ。彼の言葉が気に障るかって? いやその逆だよ」と余裕の表情で語ったドメネク監督だが、トレゼゲがイタリアの名将たちを引き合いに出したことを問われると、「自分は名将ではない。そんなことは知ったことじゃない。関心があるのは、フランス代表のことだけだ」とやや表情を曇らせた。

 またトレゼゲが「フランス代表のラインが低すぎる」と“解説”したことについては、「スコットランド戦では80%を相手陣内でプレーしたと言えるんじゃないかな」と反駁。ドメネク監督のシステムと自分のプレースタイルが合わないと感じるトレゼゲは、「2ヶ月間考えて、代表の去就を決める」と発言したが、ドメネク監督は、「引き留める気はあるか?」という記者団からの質問には直接答えず、「いまはフェロー諸島とリトアニアのことだけを考える」と述べるにとどめた。

 トレゼゲに対する感情を表に出さぬよう努めたドメネク監督だが、カリム・ベンゼマ(リヨン)について訊ねられたときに「得点もするし、センターでもサイドでもプレーできる。とてもいいものをもっている。これが、ポジション争いに関する先ほどの質問に対する答えにもなっている」と語っており、ここで本音をもらしたともとれる。