7日にアーセナル戦を控えるサンダーランドのロイ・キーン監督は、イングランド・フットボール界がかつての情熱を失ったとコメント。選手のサラリー高騰などを理由に挙げ、プレミアリーグの現状を嘆いた。

「昔と違い、最近の選手からはフットボールに対する愛が感じられない。フットボールを職業にしているだけで、それ以上の意味は持たないようだ。クラブ側にも問題があるのだろう。もしかすると、簡単に契約を結びすぎなのかもしれない。トップクラスの選手にまで金を渋る必要はないが、平均的な選手が高級車を乗り回しているのはどうかと思う。私がノッティンガム・フォレストに入団した頃は、給料の話を持ち出すことすら考えられなかった。そんなことを言えば、『何様のつもりだ?』と言われるのがオチだった。でも今の選手は、数試合出場しただけで、代理人がクラブと交渉を始める」

 さらにキーンは、ここ数年で増加の一途を辿る外国資本の参入についてもコメント。各クラブがそれぞれのアイデンティティーを失っていると語る闘将は、「冷え切った」現在のフットボール界で現役に戻りたいとは思わないと語っている。

「フットボールは大きく変わってしまった。情熱が失われている気がする。多くのクラブが買収され、10年前とは大きく様変わりしている。哀しむべきことだ。もしかすると、監督にも責任があるのかもしれない。クラブのアイデンティティーを守るために出来ることがあるはずだ。フットボールは魂を失ったよ。アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドといったクラブは、地元コミュニティとの結びつきやチャリティ活動に対しても熱心だ。しかし、本質的な部分が変わってしまっている。だから、今は現役に戻りたいとはまったく思わないね」

 感情を表に出すプレースタイルで、マンチェスター・ユナイテッドの黄金時代を築いた現役時代のキーン。1992年設立のプレミアリーグで象徴的な存在であり続けた闘将は、指揮官に立場を変えた今もその情熱は失っていない。現在の拝金主義的な流れを嘆く闘将は、これからもイングランド・フットボール界のあり方に警告を鳴らし続けるだろう。