CL第2節セルティックとの試合で醜態を晒したミラン。そこには王者としての誇りも、トップクラブとしてのプライドもなかった。特に批判の的にされているのは、終了間際の決勝点後に乱入サポーターから軽く触られ、大袈裟に交代を要求したGKディダだ。

 ディダには、2005年のCLインテル戦で、ウルトラスの投げた発炎筒が頭部に直撃したトラウマがあるが、ディダは近年重要な試合でことごとく期待を裏切るパフォーマンスしか見せてこなかった。今回のシミュレーション行為にミラン側の愛想も尽きたようだ。すでに、昨季かぎりで引退し現在フリー状態にある元ラツィオGKペルッツィへのコンタクトも囁かれている。

 それにしても不甲斐ないのはミランのプレーのお粗末ぶり。他の列強ライバルのスター選手たちは今節で軒並みゴールを奪い、その面目を保った。
 元監督サッキ氏は「選手たちは高額年俸を得ることで満足しきっている。ベテランを揃えることで経験というメリットは得られるが、一方ですべてがルーティンと化し、馴れ合いになってしまう危険性もある。
 クラブの哲学は明快で、それはすべてのコンペティションで勝利すること、ファンに確信を抱かせることだ。CLだけに注力するというやり方をファンは望んでいないし、私も信じたくない」と手厳しい言葉を投げかけている。

 戦力のテコ入れで心機一転を測ろうにも、冬の移籍市場は2ヶ月も先だ。それまでにはCLグループリーグは終わってしまう。セリエAでも乗り切れない欧州王者に処方箋はあるのか。