メトロ・マドリー(マドリーの地下鉄)が作った「排気ガスの軽減とマドリーの地下鉄の利用アップ」のためのキャンペーン用ビデオが物議を醸し出している。3日から放映されたこのPRビデオ。しかし、メトロ・マドリー当局はこのビデオの放映を取りやめた。

 内容はというと、アトレティコ・マドリーとレアル・マドリーのサポーターが試合を見に行くというもので、アトレティコサポーターは車で、R・マドリーサポーターは地下鉄でスタジアムに向かう設定に。地下鉄の使用アップのPRビデオであることから、R・マドリーサポーターは問題なく、余裕を持ってサンティアゴ・ベルナベウに到着。対するアトレティコサポーターは駐車するスペースを探し回るが、スペースはなく、ようやく見つけた駐車スペースはサンティアゴ・ベルナベウの前。結局試合には間に合わないというものだ。おまけにアトレティコサポーターはタバコを吸いながら、携帯で話しながらと運転するというマナーの悪さも描かれているのだ。

 負のキャラクターとして描かれたアトレティコとしてはたまったものではない。当然このPRビデオに納得できないアトレティコはメトロ・マドリーに対し、どういう意図があってアトレティコを使用したのか説明を求めている。また、事態を重く見たマドリー市のエスペランサ・アギーレ市長は、ビデオの制作者を解雇することを決定している。

 思わぬ波紋を呼んだこのキャンペーン。キャンペーンそのものには問題ない、ただ描き方が悪かったということだ。しかし、アトレティコとR・マドリーファンの描かれ方が逆だったらどうなっていたのだろう…?

(スペイン通信)