チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグの第2戦で、フランス勢の明暗がくっきりと分かれた。マルセイユは3日、強豪リバプールと対戦し、1−0で勝利を収めた。フランス勢がリバプールの本拠地アンフィールドで行なわれた欧州カップ戦で勝ったのは初めて。

 翌日のレキップ紙は「マルセイユ、すごいぞ!」との見出しを掲げ、これまで9度にわたり、どのクラブも成し遂げなかった“歴史的”勝利を称えた。マルセイユはこれでCL予選A組2戦2勝の首位。決勝トーナメント進出に向けて有利な滑り出しとなった。

 対照的なのは、前日(2日)のリヨン。グラスゴー・レンジャーズにホームで0−3と惨敗し、同紙の一面には「リヨン、壊滅」という見出しが踊った。フランスの王者がCLの序盤でまさかの2連敗を喫し、勝ち点0でグループ最下位。ユーロ2008予選でフランスがスコットランドに2連敗したことに続く“悪夢”と報じられた。

 それゆえマルセイユの勝利は、自信を喪失しかけたフランスのサッカー界にとって希望をもたらすニュースとなった。加えてこの試合は、ゲレツ新監督の初采配。レキップ紙は、1試合だけで判断するのは時期尚早だが、とことわりつつも、新監督がもたらした力は無視できないと分析している。1992年11月にシーズン途中でゲタルス監督(ゲレツ監督と同じベルギー人)が指揮をとり、その後快進撃を演じて欧州チャンピオンに輝いたマルセイユ全盛時の例すら持ち出している。

 同紙は、ゲレツ監督の1トップに中盤5人という布陣が功を奏した一方で、リヨンのペラン監督が採用した4-1-2-3のシステムが機能しなかったことを指摘した。とくに、これまですべての試合で守備と攻撃の橋渡し役を務めてきたトゥーラランを外し、ボランチに初めてシェルストレムを置いた起用法に疑問を投げかけている。

 リーグ・アンでは9試合でわずか1勝、16位に沈んでいるマルセイユと、リーグ9試合目で首位に立ち、ようやくエンジンがかかってきたかに見えたリヨン。CLグループリーグでの戦いぶりは正反対の2チームが、これからどのような展開を見せるか注目される。