イングランド代表MFデイビッド・ベッカムにプレミアリーグ復帰の可能性が浮上している。昨シーズン限りでレアル・マドリーを退団し、新天地にアメリカのロサンゼルス・ギャラクシーを選んだベッカムだが、8月末に膝と足首を故障。来月で終了する国内リーグでの復帰は絶望視されており、今シーズンの出場数はわずか5試合に留まる見通しだ。

 イングランド代表としてユーロ2008の出場を目指すベッカムにとっては、復帰後の試合勘を取り戻す機会を失う致命的な状況。しかし、そんな32歳に救いの手を差し伸べようとしている男がいる。現在、プレミアリーグのサンダーランドで指揮を取る、ロイ・キーン監督だ。

 キーン監督は、マンチェスター・ユナイテッド時代のチームメイトであるベッカムを、6ヶ月間のレンタル移籍で獲得すべく水面下で動いているという。ベッカム獲得に1億2800万ポンド(約300億円)を投資したLAギャラクシー側の反発は必至だが、キーンはコンディション調整だけでなく、スティーブ・マクラーレン代表監督にも目の留まりやすいイングランドでのプレーを勧めることで、ベッカムを説得する構えのようだ。さらに、サンダーランドにはドワイト・ヨークやアンディ・コールなどマンU時代のチームメイトも所属しており、ベッカムにとってもチームに溶け込み易い環境が整えられている。

 ベッカムの広報担当は、「デイビッドはギャラクシーと契約を結んでいる。レンタル移籍などでチームを離れることはない」と移籍報道を否定したが、キャリア最後の大舞台としてユーロ2008本大会出場を熱望する32歳にとっては、簡単に一蹴できるオファーでないのも事実。4年ぶりとなるプレミア復帰の可能性は十分にあると言えそうだ。