拮抗した試合展開で、PKはしばしば(というより、かなり)勝敗の行方を左右する。もしあなたがGKブッフォンを相手にして1試合で2回もPKを蹴ることになった場合、その2本とも同じコースに蹴る勇気はあるだろうか。

「直感に頼る」と話すのは、最近頭角を現してきた若手MFフォッジャ(カリアリ)だ。実際今季のユベントス戦で2本のPKを決めた。

「2本目の助走のとき、1本目とはコースを変えるつもりだった。最後の瞬間に、1本目と同じコースにしようと考え直して、2本とも決めることができた。
 でも、考えてみてほしい。PKでブッフォンが目の前にいたら、誰だって意気消沈するものだよ。彼を相手にしたら脚には震えがくるし、もし目が合ったらボールはゴール裏の彼方さ」

 昨年、ドイツW杯優勝の立役者の一人となったブッフォン。フォッジャも喜びのあまり大騒ぎしたという。ブッフォンの凄さは、PKキッカーが一番よく知っているのかもしれない。