国同士の首脳会談が「成功」と報じられるたび、本当にそう言い切れるのかと身構えてしまう人は少なくないはずだ。合意に至ったという発表の裏で、実際には両国がまったく違う物語を国内向けに語っていたとしたら、その成功はどこまで額面通りに受け取っていいのだろうか。

実業家のマイキー佐野氏は、米国と中国の首脳会談をめぐり、両政府が公表した内容そのものに着目した。結論として示されたのは衝突の回避と対話の継続であり、人工知能の暴走防止や安全保障に関わる緊急連絡の仕組みづくりでも合意したとされる。関税の一部引き下げも双方の発表に盛り込まれたが、その規模は二国間の貿易全体からすればごく限られた範囲にとどまり、佐野氏はこれをあくまで対立をいったん収める演出だったと位置づけた。

一方で、資源や技術をめぐる発表には明確な非対称が見られたと佐野氏は指摘する。米国側は自国の生産者や有権者に向けて具体的な成果を強調したのに対し、中国側は同じ項目について多くを語らず、国内には対等な大国としての威厳を示すことを優先した模様だ。背景には、間近に迫った選挙を意識する米国と、長期的な指導体制の正統性を固めたい中国、それぞれ立場の異なる政治的事情があると佐野氏は分析する。

人工知能という呼び方ひとつをとっても、表向きは歩み寄りながら実利では譲らない姿勢がにじんでいたことも見逃せない。半導体や先端技術の扱いは議論の外に置かれたままで、軍備の抑制についても両国の温度差が文書の端々に表れていたとみられる。さらに、他国の核開発を認めない点や特定の海域で通行料を徴収しない点など、利害が一致した項目がある一方、薬物対策をめぐる要求の強さには明確な違いがあったと佐野氏は捉えていた。

そして台湾をめぐる問題や、互いに譲れない戦略分野については、両国の公式文書のどちらにも記載がなかった。佐野氏いわく、これは妥協が成立しなかったことの裏返しであり、友好的な演出を保つためにあえて触れられなかった領域でもある。関税やレアアースの陰に隠れたこの空白にこそ、両国関係の本当の行方を読み解く鍵がありそうだ。国際情勢の先行きを気にする人にとって、表向きの合意の奥にある駆け引きを見つめ直すきっかけになる内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営