相場展望 米国株は軟調・長期金利が上昇、日経平均は独歩高
相場展望 10月1日号 米国株:米国株は軟調・・長期金利が上昇・景気の悲観強まる・新規材料なし 日本株:日経平均はNYダウに比べて独歩高、日本株全体から見ても突出
■Ⅰ.米国株式市場
1.NYダウの推移1)9/28、NYダウ▲347ドル安、51,481ドル (日経新聞)・9/28の米国株式市場でNYダウは前週末比▲0.66%安と反落して終えた。イラン情勢を巡る先行きの不透明感から米国原油先物が上昇したほか、米国長期金利の上昇も株式相場を下押しした。・トランプ大統領は9/26、停戦を巡るイランの提案を拒否すると話したと伝わった。イランは一定の条件を満たせば、7日以内にホルムス海峡を開放する案を米国側に示していたが、受け入れなかった。
・米国紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏は11月の米国中間選挙後にイランへの爆撃を再開する可能性が高いとする関係者の考えを伝えていた。
・イラン情勢の先行き不透明感から、米国原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が一時1バレル=96ドル台半ばと、前週末の終値92.41ドルを大幅に上回った。原油高を材料視し、米国長期金利は一時5.27%と、2007年6月以来の高水準を付けた。
・NYダウは下げ渋る場面があった。米国ニュースサイト、アクシオスは9/28に関係者の話として、「トランプ氏はイランが核開発計画に関して具体的な措置を講じるなら、見返りとしてイランへの制裁措置を緩和する用意がある」と伝えた。
・中東情勢を巡る懸念がやや薄れたとの見方から原油先物が伸び悩むと、米国株に見直し買いが優勢になった。
・NYダウの構成銘柄では、主力小型機「737MAX」にソフトウェアの不具合があることが判明したと報じられたボーイングが大幅安となった。セールスフォースやIBM、マイクロソフトが下落した。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどの金融株も安かった。
・一方、ナイキやプロクター・アンド・キャピタル(P&G)、ウォルマートなど消費関連株は上昇した。エヌビディアが上昇した。1,500億ドルの追加の自社株買い枠を取締役会が承認したと9/28に発表し、株主還元の強化を好感する買いが優勢になった。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前週末比▲0.91%安と、3営業日ぶりに反落した。メタプラットフォームズやテスラ、インテルが売られた。
●2)9/29、NYダウ▲131ドル安、51,349ドル (日経新聞)
・9/29の米国株式市場でNYダウは前日比▲0.25%安と続落して終えた。米国長期金利の上昇が止まらず、金融株や消費関連を中心に売りが出た。・米国長期金利の指標となる10年債利回りは一時前日比+0.06%高い(債券価格は安い)5.29%と、2007年6月以来の水準を付けた。30年債利回りは2002年以来の水準に達する場面があった。
・市場では「米国長期金利が上昇するペースが速く、どこまで上昇するか読めない懸念が広がっている」との指摘があった。金利の上昇で資金需要が鈍化するとの警戒から、金融株にも売りが出た。
・9/29発表の8月の米国雇用動態調査(JOLTS)で求人件数(非農業部門)は707.9万件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想720万件を下回った。9月の米国消費者信頼感指数も81.9と、市場予想を下回った。低調な経済指標も、株式相場の重荷となった。
・米国連邦準備理事会(FRB)のバー理事は9/29、エネルギー価格の高止まりや人工知能(AI)関連投資の拡大でインフレ目標に向けた進展がないと述べ、追加利上げを主張した。一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ連銀総裁は同日、FRBは再び利上げする前にデータを慎重に検討する時間がいるとし、利上げを急がない姿勢を示した。
・半面、半導体関連銘柄の一角には買いが入った。市場では「金利が上昇するなか、金利上昇の影響を受けにくい銘柄が買われている」との声が聞かれた。
・NYダウの構成銘柄では、アップルの下げが目立った。ウォルマートやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も売られた。ナイキとシェブロンも安かった・半面、ボーイングやアムジェン、キャタピラーが上昇した。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比▲0.08%安と続落した。テスラやサーバーセキュリティのパロアルト・ネットワークスが安かった。
●3)9/30、NYダウ▲443ドル安、50,906ドル (日経新聞)
・9/30の米国株式市場でNYダウは前日比▲0.86%安と3日続落して終えた。6月中旬以来の安値となった。原油高や金利高を受け、景気敏感株や消費関連の銘柄を中心に主力株に売りが出た。・米国原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は上昇し、1バレル=90ドル台に乗せて取引を終えた。米国とイランの戦闘終結に向けた協議を巡る不透明感が根強く、中東からの原油供給の回復が見通しにくいなかで、原油先物への買いが優勢だった。
・米国債券市場では長期金利が前日比+0.07%高い5.30%と、2007年6月以来の高水準を付ける場面があった。30年債利回りも一時2002年6月以来の水準に上昇した。金利上昇の勢いが止まらず、株式の相対的な割高感が意識されやすかった。景気敏感株やヘルスケア関連を中心に売られ、NYダウを下押しした。
・一方、9/30発表の8月の米国個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+3.4%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想+3.7%上昇ほどは伸びなかった。食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率も市場予想を下回った。
・一部項目の推計方法の見直しが、インフレ率の下振れにつながったとの見方もあったが、米国連邦準備理事会(FRB)が「10月に利上げする可能性を低くする」との受け止めがあった。ハイテク株の一角には買いが入り、NYダウは上昇する場面もあった。
・10/1には9月の米国サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、10/2には9月の米国雇用統計が発表される。金利の上昇が続くなか、米国金融政策を左右する主要な経済指標への関心は高い。大引けにかけて幅広い銘柄に売りが出て、NYダウは下げ幅を広げた。
・NYダウの構成銘柄では、ウォルマートやスリーエム(3M)、シャーウィン・ウィリアムズが売られた。メルクとユナイテッドヘルスも下げた。一方、巨大ハイテク株は買われ、アップルやアマゾン、アルファベットが上昇した。セールスフォースも高い。
・9月のNYダウは月間で▲4%あまり下げ、6ヵ月ぶりの下落となった。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比+0.23%高と、3営業日ぶりに反発した。巨大ハイテク株の一角に加え、半導体のインテルやサイバーセキュリティのパロアルト・ネットワークスが買われた。
・ナスダック指数は月間では+2%近く上昇し、2ヵ月連続で上げた。
●2.米国株 : 米国株は軟調・・要因は、長期金利が上昇・米国景気への悲観強まる・新規材料なし
1)金利高が株式相場を蝕む⑴NYダウの推移・NYダウの推移9/15 52,093ドル9/30 50,906▲1,187ドル安▲2.27%安●2)金利高、特に長期金利が上昇
⑴米国金利の推移2年債 10年債 30年債9/17 4.690% 4.947% 5.300%9/30 4.893 5.294 5.631上昇幅 +0.203%高 +0.347%高 +0.335%高上昇率 +4.32%高 +7.01%高 +6.32%高⑵長期金利の上昇が、相対的に割高感が意識され株価軟調の要因になっている●3)米国景気への悲観が強まる方向にある
⑴9月消費者信頼感指数が81.9と、2014年4月以降で最低を記録⑵米国・イランの戦闘終息合意は悲観的、協議進展乏しく・原油高を招いている。⑶米国インフレ懸念の高まりで、米国債利回り再び急上昇・全米自動車協会(AAA)は、9/23のディーゼル(軽油)価格は全米平均1ガロン当たり6.52ドルと、1年前の3.69ドルから+76.6%上昇したと発表した。・ディーゼル燃料は、貨物輸送から農業・建設業に至るまでほぼすべてのコストに組み込まれており、消費者物価指数(CPI)への上昇圧力となるのは確実である。・ガソリン価格も急伸し、高値圏にある。個人消費支出減となってCPIを押し上げる要因となっている。●4)米国株は軟調
⑴長期金利上昇が嫌気され売り優勢⑵株価上昇要因となる新規材料は乏しい●3.米国オープンAI、最新AIモデルの公開を中止、安全性を懸念=WSJ報道 (moneyworld)
●4.米国9月消費者信頼感指数は81.9と、予想89.0・8月88.6を下回った (フィスコ)
●5.米国8月JOLTS求人件数は707.9万件と、予想722.8万件・7月733.5万件を下回る、3月来で最低
(フィスコ)■Ⅱ.中国株式市場
1.上海総合指数の推移1)9/28、上海総合▲64安、3,823 (亜州リサーチ)・週明け9/28の中国本土マーケットで上海総合指数は、投資家心理が悪化する流れとなり、前営業日比▲1.67%安と3日続落した。8/4以来、約2ヵ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。・中国の景気不安や、原油動向の不透明感が重しだ。日本時間9/28早朝のWTI原油先物は、時間外取引で反発した。米国・イランの戦闘終結に向けた協議が難航するとの見方が広がった。一方、取引時間中に公表された8月の工業企業利益は前年同月比で+4.2%増にとどまり、伸び率は7月の+11.2%増から縮小した。増加率の縮小は4ヵ月連続となる。
・中国の政策に対する期待感が根強いなか、朝方は下げが限定的だったが、株価指数は徐々に下げ幅を広げた。
・現地メディアが9/28に報じたところによると、中国人民銀行(中央銀行)は金融政策の運営枠組みの改革を進め、内需拡大も強化する方針だ。ほか、人民銀行は資金流動性を確保するため、9/28~10/8にかけて、1日あたり最大1兆人民元(約23兆4,900億円)を市場に供給する。
・中国本土は先週から大型連中がスタートした。本土市場は先週末9/25が中秋節、今秋10/1~7は国慶節で休場する。(香港市場は10/1が休場)
・業種別では、ハイテクの下げが目立つ。産金・非鉄も急落。インフラ関連、不動産、自動車、消費、医薬、保険・証券、空運なども売られた。半面、石油の一角はしっかり。公益、銀行、通信も買われた。
●2)9/29、上海総合+6高、3,830 (亜州リサーチ)
・9/29の中国本土マーケットで上海総合指数は、自律反発狙いの買いが優勢となる流れとなり前日比+0.18%高と4日ぶりに反発した。上海総合指数は前日まで急ピッチに下落し、足もとでは8/4以来、約2ヵ月ぶりの安値水準に落ち込んでいた。・中国政府の政策に対する期待感も支え。李強・首相が9/28に開いた国務院常務会議では、今年の経済目標4.5~5.0%達成のため、財政支出の加速など景気下支え策を強化する方針が確認された。
・ただ、株価指数の上値は限定的だった。中国の景気不安がくすぶっていることや、原油相場の高止まり、米国長期金利の上昇などが重しだ。
・また、中国本土では明日9/30、9月の景況感指数が報告されるほか、本土市場が10/1~7まで国慶節で休場となることも買い手控え要因として意識されている。株価指数は安く推移する場面もあった。
・業種別では、不動産の上げが目立った。・国務院常務会議で、不動産市場の安定化に向けた追加策も検討すると明言された。銀行もしっかり。ハイテク、インフラ建設、素材、自動車、保険・証券、医薬なども買われた。半面、石炭は冴えない。軍需産業、海運、消費、公益も売られた。
●3)9/30、上海総合+11高、3,842 (亜州リサーチ)
・9/30の中国本土マーケットで上海総合指数は、前日の好地合いを継ぐ流れとなり、前日比+0.31%高と続伸した。・中国当局の景気支援スタンスが引き続き支えとなった。李強・首相が9/28に開いた国務院常務会議で、今年の経済目標+4.5~+5.0%増を達成するため、財政支出の加速など景気下支え策を強化する方針が確認された。
・また、財政部など金融関連当局は9/29引け後、住宅ローンの利子補給を実施すると発表した。
・中国景況感の改善もプラスになった。寄り付き直後に公表された中国の9月製造業PMIは50.1と、市場予想50.1通り、前月実績49.8を上回った。景況判断の境目となる50を、3ヵ月ぶりに超過した。
・ただ、株価指数の上値は限定的だった。中国の大型連休を前に、様子見ムードも漂った。中国本土は先週から大型連休がスタートした。本土市場は先週末9/25が中秋節、今週10/1~7が国慶節で休場となる。(香港市場は10/1が休場)
・業種別では、医薬の上げが目立つ。・従来のジェネリック薬品から革新的新薬に軸足が移るなか、中国製薬業は世界的なプレゼンス向上が期待されている。・足元では、グローバルメガファーマ(巨大製薬企業)との大型ライセンス契約も急増。直近では、江蘇恒瑞医薬が9/29、開発中の肥満症・糖尿病治療薬について、デンマークのノボ・ノルディスクに最大26億米国ドル(約4,072億円)で独占的ライセンス供与する契約を結んだと発表した。不動産も高い。自動車もしっかり。消費、金融、資源・素材、公益、運輸、インフラ関連なども買われた。半面、ハイテクは安い。
●2.中国政府、地方政府系企業に低コスト資金を供給し、未払い債務の返済支援 (ブルームバーグ)
1)地方政府系の融資平台などを対象に、中国人民銀行は枠を設けず必要に応じて資金供給。2)経済全体に波及している支払い延滞の解消。3)中央銀行である中国人民銀行の役割を拡大。●3.日本企業の「中国離れ」が進む、ピーク時から約▲3割減、「製造拠点」から「巨大市場」へと認識変化
(日テレ)1)帝国データバンクによると、今年6月時点で中国に進出する日本企業の数は1万118社でした。2010年の調査開始以来、最多だった2012年の1万4,394社から、約▲3割減少した。中国に進出する企業の約86%を「製造業」「卸売業」「サービス業」で占めているが、いずれも2024年から2026年にかけて減少している。2)また、日本企業の中国ビジネスの最大集積地である「上海市」に進出する企業は3,961社で、2022年と比べると約▲3割減少し、「遼寧省」でも▲3割超の減少、「北京市」では▲5割減となっている。
3)その背景は、➀近年の日本・中国関係の悪化②中国国内の景気停滞、レアアースの輸出制限といった経済的威圧行為③改正反スパイ法など、カントリーリスクの高まり④東南アジア諸国や日本国内に拠点を移設、分散させるサプライチェーンの再編の動き⑤トランプ関税の影響で受注減少し、企業業績に影響が出ている
4)中国が「世界の工場」から「世界最大級のマーケット」としての性格を強めているとして、中国市場の「見極め」が進んでいる。
5)今後の見通しは、当面は「中国リスク」を前提として対中国ビジネスを行うものの、中長期的には中国市場への依存度を引き下げる目的で「中国撤退」の動きが強まる可能性もある。
■Ⅲ.日本株式市場
1.日経平均の推移1)9/28、日経平均▲486円安、65,877円 (日経新聞)・9/28の東京株式市場で日経平均は前週末比▲0.73%安と、6営業日ぶりに反落した。この日の安値で引けた。前週末までの5日間で+3,000円近く上昇しており、利益確定売りに押された。アジア市場で半導体株の比重が高い韓国総合株価指数(KOSPI)が下落したのも重荷となった。・朝方は日経平均が+600円あまり上昇し、8/18以来およそ1ヵ月半ぶりに6万7,000円台に乗せる場面があった。前週末の米国半導体株高を手掛かりとしてソフトバンクG(SBG)など人工知能(AI)・半導体関連銘柄の一角に買いが集まり、日経平均を押し上げた。
・だが、節目到達の達成感もあって、次第に利益確定の売りが広がった。9/28の国内債券市場では長期金利が3.1%に迫り、政策金利の影響を受けやすい新発2年物国債の利回りは31年半ぶりの水準に上昇した。金利の先高観が強まり、株式には相対的な割高感を警戒した売りが出て、日経平均を下押しした。
・今週は米国で重要イベントが相次ぐ。9/29にはSBGが出資する米国オープンAIが年次開発者会議を開くほか、9/30には米国半導体大手マイクロン・テクノロジーが四半期決算を発表する。10/2の9月の米国雇用統計など米国経済指標の発表も多く、中長期志向の機関投資家は様子見姿勢を強めたとの見方があった。
・「11月の米国中間選挙でAI投資に慎重姿勢を示す民主党が上下両院で勝利すれば、関連投資にブレーキがかかる可能性もある」と指摘する声がある。そのうえで、「選挙後の株価動向が見通しにくい点は注意が必要だ」とみていた。
・東証株価指数(TOPIX)は▲0.40%安と反落した。JPXプライム150指数も▲0.44%安と反落して終えた。
・東証プライムの売買代金が概算で8兆2,028億円、売買株数は24億1,504万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1,039と全体の約6割を占めた。値上がりは468、横ばいは46だった。
・個別銘柄では、イビデンやアドバンテスト、キオクシアが安い。ファーストリテイや中外製薬、第一三共が下落した。一方、スクリーンや荏原が高い。リクルートやみずほFG、東京海上が上昇した。
●2)9/29、日経平均▲396円安、65,481円 (日経新聞)
・9/29の東京株式市場で日経平均は前日比▲0.60%安と続落した。中東情勢の先行き不透明感を背景としたニューヨーク原油先物相場の上昇などを受けて、9/28の米国株式相場が下落し、東京市場でも投資家のリスク回避目的の売りが優勢だった。9/29は3月決算企業の中間配当の権利落ち日を通過あい、権利を確定した投資家による換金目的の売りも相場全体の重荷となった。日経平均の下げ幅は▲1,100円を超える場面もあった。・前日の米国半導体株安を受けて、東京市場でもイビデンなど人工知能(AI)・半導体関連の一角が売られた。傘下の英国半導体設計アームの株価急落を受けてソフトバンクG(SBG)も軟調に推移し、日経平均を下押しした。中東情勢の混迷が長期化するなか、原油相場の高止まりが景気や企業業績の下振れにつながるとの警戒感も相場全体の地合いを冷やした。
・配当権利落ちに伴う売りは、主に高配当の銘柄に目立った。豊田通商など商社株が下げた。三菱UFJなどの銀行株がそろって売られるなど、保険や証券といった金融セクターが軒並み安となった。
・日経平均は大引けにかけて急速に下げ渋った。6万5,000円を下回る水準では短期筋の先物買いを中心とした押し目買いが断続的に入った。東京エレクトロンやスクリーン、ディスコなど一部のAI・半導体関連が買われたことも、日経平均の下値を支えた。
・東証プライム(TOPIX)は▲1.72%安と続落した。JPXプライム150指数は▲1.47%安と続落して終えた。
・東証プライムの売買代金は概算で7兆3,224億円、売買株数は24億4,155万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1,318、値上がりは170、横ばいは21だった。
・個別銘柄では、TDKや中外製薬、トヨタが下げた。一方、ファーストリテイやリクルート、大塚は上げた。
●3)9/30、日経平均+1,272円高、66,753円 (日経新聞)
・9/30の東京株式市場で日経平均は前日比+1.94%高と、3営業日ぶりに反発した。8/18以来の高値で終えた。前日の米国半導体株高を支えに朝方から幅広い銘柄に買いが先行した。前日の安値から相場が持ち直したことで目先の先高観を強めた海外勢の株価指数先物買いが強まると、後場は一時+1,400円を超える上げとなった。・前日の米国株式市場で主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が+1%強上昇した流れを受け、東京市場でも朝方から東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連に買いが先行した。日本・米国ともに金利が高止まりするなかでも高い収益成長から半導体関連に買いが集まりやすかった。金利高が業績の追い風になりやすい銀行株も買い戻された。
・日経平均は前日の取引時間中に6万5,000円を割った後は、海外勢による打診買いで下げ幅を縮める展開となっていた。そこから9/30は相場が持ち直したことで、目先の先高観を強めた海外投機筋からの先物への買いが、相場全体を押し上げる展開になった。株価指数寄与度の大きいソフトバンクG(SBG)やファーストリテイが一段高となった。韓国総合株価指数(KOSPI)は朝高後は下げるなど冴えない展開となったが、日本株への買いの勢いは途切れなかった。
・太陽誘電は9/29にTDKと次世代電子部品を共同開発することで基本合意したと発表したのを手掛かりに大きく上昇する場面があった。TDKも上げた。半面、競争激化懸念から村田製作所には売りが出た。
・年度の上期末を控え、国内機関投資家からは持ち高調整の売りが出やすかったが、売り物をこなしながら日経平均は上値を試した。9月の日経平均は月間で+441円高・+0.66%上昇し、2ヵ月連続の上げとなった。
・東証株価指数(TOPIX)は前日比+1.67%高と、3営業日ぶりに反発した。月間では6ヵ月ぶりの下落となった。JPXプライム150指数は+1.78%高と、3営業日ぶりに反発して終えた。
・東証プライムの売買代金は概算で9兆1,212億円、売買株数は27億6,231万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1,127と、全体の約7割だった。値下がりは368、横ばいは55だった。
・個別銘柄では、フジクラ、信越化学、住友電工が上昇した。一方、京セラ、日東電工、オリンパス、ZOZOが下落した。
●2.日本株 : 日経平均はNYダウに比べて独歩高、日本株全体から見ても突出
1)日経平均はNYダウに比べて独歩高、日本株全体から見ても同様⑴日経平均とNYダウの推移➀日経平均 ②NYダウ9/15 63,484円 52,093ドル9/30 66,753 50,906+3,269円高 ▲1,187ドル安+5.14%高 ▲2.27%安・日経平均の上昇は、NYドルの下落と比べ、突出している。・今後の日経平均は、NYダウ上昇のフォローが無ければ、売られやすい状況にある。⑵日経平均の勢いは「海外短期投機筋」による先物を軸とした買いが主因・9/16以降の日経平均の上げ・下げともに海外短期投機筋の暗躍ぶりが目立つ。・したがって、今後の日経平均の動向は海外短期投機筋が握っていると思われる。
⑶懸念材料➀NYダウが、9/15⇒9/30に▲1,187ドル下落・▲2.27%安となっている点が気懸り。世界各国の株式も下落の途上にある。日経平均の単独高がどこまで続くか? 不透明感がある。②日本株のなかで、「日経平均」指数のみが上昇勢いがある。幅広い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)の上昇は鈍い。日経平均の一極集中した上昇ぶりが目立つ。そこに「危うさ」を感じ取る。③日経平均株価指数の上昇の主役は、「海外短期投機筋」であることを頭に入れて対応したい。
●2)日経平均の日中の動き
⑴9/28、日経平均の動き前日終値 (66,364円) 始値 +141円高 米国株高が波及して株高で始まる高値 +670円高 AI・半導体関連株が買われた安値 ▲486円安 節目6万7,000円乗りで達成感、利益確定の売り優勢終値 ▲486円安 直近5日で+2,880円高のため買い支えなく安値引け(65,877円)⑵9/29、日経平均の動き前日終値 (65,877円)始値 ▲319円安 米国株安を受け売りが先行高値 ▲72円安 AI・半導体関連の一角が買われる安値 ▲1,178円安 配当権利落ち・原油高・金利上昇で利益確定売り終値 ▲396円安 値ごろ感から短期筋の先物買い・押し目買いが入る(65,481円)
⑶9/30、日経平均の動き前日終値 (65,481円)始値 +647円高 米国半導体株高を受け、半導体関連に買いが先行安値 +533円高 幅広い銘柄に買い高値 +1,464円高 9/29相場持ち直しで先高観強めた海外勢の先物買い終値 +1,272円高 金利高で業績への追い風となる銀行・保険が買い戻し(66,753円)
●3)日経平均を動かす、寄与上位5銘柄の状況
⑴9/28、日経平均▲486円安の寄与上位5銘柄に占めるAI・半導体関連株の状況➀プラス寄与上位 ②マイナス寄与上位ソフトバンクG +76円寄与 キオクシア ▲172円寄与スクリーン + 6 イビデン ▲139東京エレクトロン ▲101アドバンテスト ▲ 65合計 +82円寄与 合計 ▲477円寄与・AI・半導体関連株の日経平均への寄与は総合計で▲395円安。日経平均▲486円安に対して▲81.27%を占めた。AI・半導体関連銘柄が、日経平均の下落に大きく関与した。
⑵9/29、日経平均▲396円安の寄与上位5銘柄に占めるAI・半導体関連株の状況➀プラス寄与上位 ②マイナス寄与上位東京エレクトロン +121円寄与 ソフトバンクG ▲168円寄与アドバンテスト + 43ディスコ + 15合計 +179円寄与 合計 ▲168円寄与
・AI・半導体関連株の日経平均への寄与は総合計で+11円高。・日経平均が▲396円安と売られるなか、AI・半導体関連株は踏ん張った。
⑶9/30、日経平均+1,272円高の寄与上位5銘柄に占めるAI・半導体関連株の状況➀プラス寄与上位 ②マイナス寄与上位ソフトバンクG +318円寄与 村田製作所 ▲19円寄与東京エレクトロン +156 京セラ ▲10アドバンテスト + 84 日東電工 ▲ 5フジクラ + 59合計 +617円寄与 合計 ▲34円寄与
・AI・半導体関連株の日経平均への寄与は総合計で+583円高。日経平均への貢献は45.8%だった。金利上昇が業績に寄与する銀行、保険株など幅広い銘柄に買いが入った。
■Ⅳ.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・4686 ジャストシステム 株価反転傾向・6143 ソディック 業績絶好調・6367 ダイキン 業績堅調執筆者プロフィール
中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
