Anthropicで営業開発リーダーを務めるカール・ジョンソン氏が、ほとんどの問い合わせにAI・Claudeが対応している状況と、それによって営業チームの働き方がどのように変わったのかについて解説しています。

How Anthropic's sales team rebuilt inbound with Claude Managed Agents | Claude by Anthropic

https://claude.com/blog/how-anthropics-sales-team-rebuilt-inbound-with-claude-managed-agents



AnthropicにはClaudeを導入したいと考えている会社などから問い合わせが送られてきますが、ジョンソン氏によると毎月数万件もの問い合わせが寄せられ、フォームから質問を送っても返信が来るまでに時には数日も待たされるほど時間がかかる問題があったそうです。寄せられる質問のほとんどは公式ドキュメントやサポート記事に記載されているものでしたが、多くの場合で顧客は担当者による迅速な説明を求めています。

そこでAnthropicの営業チームは、クラウドホスト型エージェントを大規模に構築・展開するためのツール「Claude Managed Agents」を使って、見込み客が「会社にClaudeを導入したい」という段階から購入完了までをサポートする購買エージェントを構築しました。

ClaudeベースのAIエージェントを簡単に本番環境に導入できる「Claude Managed Agents」が登場 - GIGAZINE



Claude Managed Agentsを用いた理由として、以下の5点が挙げられています。

・迅速な実運用化

最初の購買エージェントは、1人のエンジニアがわずか数週間で構築しました。

・技術系および非技術系の貢献者

コードの所有権はエンジニアリング部門にありましたが、営業およびコンテンツ担当リーダーはコンソール上でシステムプロンプトを直接レビューおよび編集し、変更はまずテスト環境に反映されたため、顧客に反映される前に誰でも微調整を試すことができました。

・ハーネスではなくドメインに焦点を当てる

Claude Managed Agentsは、エージェントループ、セッション、ホスティングを実行します。営業チームは、プロンプト、ツール、ナレッジベースという、販売に特化した3つの要素に時間を費やしました。

・バージョン管理によって反復開発のコストを削減

エージェントへの変更はすべて独自のバージョンとして保存され、必要に応じて以前のバージョンに簡単に戻すこともできます。Anthropic営業チームの購買エージェントの場合、社内テスト開始から約1週間でバージョン7に到達し、その後もアップデートを続けたそうです。

・より多くのユースケースに対応できる柔軟性

基本的にはユーザーがサイトを訪れてエージェントを見つけて利用する形になっていますが、Claude Managed Agentsではエージェントを定期的に自動実行できるため、企業側から特定のタイミングでユーザーにエージェントを届けるなど、これまでとは異なる利用方法を検討できるようになります。



営業チームがClaude Managed Agentsを用いて導入した購買エージェントは、1日に数千件の会話を実行し、顧客の最も差し迫った質問に答え、購入手続きまでを完了させます。このエージェントによってチームに引き継がれる顧客は、十分な知識を得た上で購入決定を下す準​​備が整っているため、従来のフォームからのリードと比べて商談に発展する確率が2倍以上高く、成約までの期間も約5日短縮されているとのこと。



なお、購買エージェントはオプトイン方式で、問い合わせを行う顧客は最初にエージェントまたは営業担当者と話すかどうかを選択することができます。

問い合わせは大規模に事業を展開する大企業向けのEnterpriseに関して行うことができます。料金プランのページから「購入スペシャリストとチャット」を選択するほか、お問い合わせページから「購買エージェントとチャットする」を選択することでAIとのチャットで質問をすることができます。



ジョンソン氏は「購買エージェントは営業担当者と同じ業務を行うエージェントとして開発されています。つまり、顧客が解決しようとしている問題、現在のClaudeの利用状況、そして私たちがどのようにすれば顧客を最大限にサポートできるかを理解することを目指しています」と語っています。

また、購買エージェントの構築から学んだこととして、Claudeにはルールではなく目標を説明する方が効果的であること、さまざまなプロンプトを試した結果「less is more(シンプルなほど良い)」という原則が最も効果的であったこと、エンジニアと営業チームがより多くの時間を過ごすなど開発ループに専門家を活用することの重要性などを示しています。