【速報】声が「パブリシティ権」の保護対象と認める判決 津田健次郎さんの訴え退けるも東京地裁が初判断 TikTok運営会社に生成AI動画の削除求めた訴訟
生成AIで自身の声を無断で模倣した動画が公開されているとして、人気声優の津田健次郎さんが、動画共有アプリ「TikTok」の運営会社に動画の削除を求めた裁判で、東京地裁は声が「パブリシティ権」の保護の対象になるとの初めての判断を示しました。
この裁判は、人気アニメ「呪術廻戦」の七海建人役などで知られる声優の津田健次郎さんが、生成AIを使って自身の声を無断で模倣したナレーション付きの動画が180本以上公開され、権利を侵害されているとして、「TikTok」の運営会社に動画の削除を求めたものです。
津田さん側は裁判で、動画が「ありふれた雑学を著名な声優の声で読み上げさせることで商品価値をつけ、再生数や収入を得ている」と指摘。
著名人が持つ経済的価値を保護する「パブリシティ権」を侵害しているなどと主張しています。一方のTikTok側は、動画のナレーションは「普遍的な男性の声」であり、投稿者が友人の声を学習させて作った音声データだとサイトで公表しているとして、「権利は侵害していない」と主張。
また、投稿者が今年5月末ごろにアカウントと投稿を削除し、およそ1か月後にはデータが自動的にサーバーから消去されたとし、「動画が再び閲覧可能になる可能性はなく、訴えの利益は喪失している」として訴えを退けるよう求めていました。
東京地裁はきょう(30日)の判決で、動画がすでに削除されているとして津田さん側の訴えを退けた一方、声が「パブリシティ権」の保護の対象になるとの初めての判断を示しました。
生成AIで作成される動画や画像をめぐっては、著名人の声や顔などが無断で使用されるケースが相次いでいますが、特に声の権利については、直接的に保護する法律がなく、声優などで作る団体は法的な整備を求めています。
法務省と経産省は、声が肖像と同様に「パブリシティ権」や不正競争防止法の保護対象になり得るとするガイドラインなどを作成していますが、これまで声についての権利侵害を認定した判決はなく、今回の裁判で声の権利について実質的な判断が示されるかが注目されていました。
