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 ◇パ・リーグ 日本ハム6-5楽天(2026年9月22日 エスコンF)

 日本ハムの中島卓也内野手(35)が22日、引退試合となった楽天戦に「2番・遊撃」で今季初出場し、5回には一塁内野安打を放ち、今季初安打もマークした。7回守備の途中で、本拠地エスコンを埋めたファンから、万雷の拍手を浴びてベンチに下がった。無名だった福岡工から08年ドラフト5位で入団し、地道な努力で生き抜いてきた18年。ファンに、仲間にも愛された男がスポニチ本紙に独占手記を寄せた。

 人に恵まれた野球人生でした。プロ入り前もそうですが、1年目から多くの方と出会い、支えられて18年間プレーすることができました。入団当時の僕には想像もできません。苦しいことも多かったですが、ここまで頑張ってきて良かったな、と心から思います。

 高校3年の春。球場のトイレで手を洗っている時、山田正雄GM(現スカウト顧問)に身長と体重を聞かれたことを覚えています。初めは大学関係者かな?と思いましたが、プロのスカウトとは思いませんでした。当時は全くの無名。いろいろな出会い、縁が重なったんだなと思います。

 1年目はキツかった記憶しかありませんが、逃げ出したりはしませんでした。野球が好きで、うまくなりたい思いもありました。強豪校でやっていたわけでも、甲子園に出たわけでもありません。変なプライドはなかったので、無我夢中で吸収できたと思います。

 三木肇さん(当時2軍内野守備走塁コーチ)との出会いは大きかった。1年目の時に「タクもいずれ1億円プレーヤーになれるよ」と言ってくれたんです。心の中では「そんなわけないでしょ」と思っていましたが、「足と守備があれば打撃は必ず付いてくる」と、鍛えてもらいました。

 三木さんに言われた野球ノートも、18年間続けました。結婚しても息子の隣で「ちょっと待って」と言いながら、その日の映像を見返して書きましたね。今では書かないと寝られないほど日常になりました。明日はこれをやろうと頭の整理にもなるので、続けて良かったなと思います。

 4年目の12年から栗山監督が就任し、多くの出場機会を与えてもらいました。ただ、非力だったので相手が嫌がることをしようと思い、打席で粘るようになりました。全試合出場でつかんだ16年日本一は、本当に貢献できたと感じました。ただ、今は野球が変わってきているので僕のような選手は生まれにくいかなと思います。

 最近は2軍暮らしが長く、家族と離ればなれの生活が続きました。たまに帰っても1泊しかできないので、息子が「パパ帰らないで」と、泣いた日もありました。だからこそ「早く1軍に上がりたい」という原動力にもなりましたが、後ろ髪が引かれる思いでつらかったですね。

 1軍に上がれなくても、後輩たちに腐っている姿は見せたくありませんでした。僕が全力疾走をやらなければ、後輩たちもやらなくなります。ミスはあるかもしれませんが、今できることをやろうという思いでした。何かを感じ取ってくれていれば、うれしいです。

 最後に、今まで本当にありがとうございました。本当に、本当に幸せな野球人生でした。(北海道日本ハムファイターズ内野手)