井上尚弥戦のキャンセル騒動で「地獄を見た」 豪戦士グッドマンが西田凌佑とのタイトルマッチに本音告白「過小評価はしない」

ベルト奪取を一大目標に掲げ、日本での戦いにグッドマンが燃えている(C)Getty Images
ふたたびタイトル戦線で存在感を示せるか。27歳の豪戦士にとってキャリアを占う大一番が迫っている。
来る9月27日にトヨタアリーナ東京で行われるIBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦で、同級2位のサム・グッドマン(オーストラリア)は、同級1位の西田凌佑(六島)に挑む。
【動画】痛々しい左目の裂傷…井上戦を控えたグッドマンの負傷シーン
日本のファンの間でも馴染み深い存在となった万能型のファイターが、ついに列島へと上陸する。2024年12月に現スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に挑戦する予定だったグッドマンだったが、試合直前のスパーリングで負った2度の左目上の裂傷により、試合を1か月も延期した上にキャンセル。その前年の9月に井上陣営からの対戦オファーを、「7月に前哨戦が決まっている」と断ったことを加えれば、3度目のキャンセルであった。
日本のボクシングファンや関係者から「井上から逃げた」と揶揄されたグッドマン。当時に整形手術を受けるほどの大怪我から回復したチャレンジャーは、後に井上戦のファイトマネーを見込んだ新居購入によって過酷なローン返済に追われたことも告白。オーストラリアの放送局『ABC News』で「本当に地獄だった。その状況を乗り越えるには、何人かの人に頼らざるを得なかった。もし、彼らの助けがなかったら、俺は死んでしまっていたと思う」と赤裸々に振り返るほどの挫折を味わった。
無論、自身と陣営の管理能力に問題があったのは言うまでもない。ただ、一度「地獄を見た」グッドマンは、しゃにむに世界タイトルの道を模索し続けた。昨年8月には、階級を上げて、WBA世界フェザー級タイトルマッチとして王者のニック・ボール(英国)に挑戦。0-3の判定負けを喫したが、左ジャブを起点としたテクニカルなスタイルで“突貫小僧”の異名を持つ剛腕を翻弄する場面もあった。
今年に入って再びスーパーバンタム級に階級を落としたグッドマンは4月にホドリゴ・ファビアン・ルイス(アルゼンチン)とのIBF世界スーパーバンタム級2位決定戦に判定勝利(3-0)。正当な手順を踏んだ上で西田への挑戦権を得た。
当然ながら見据えるのは王座だ。来日を目前に控えて豪メディア『Code Sports』のインタビューに応じたグッドマンは、「俺は偉大なライオネル・ローズの偉業を再現したいと思っている」と公言。1968年に東京・日本武道館でファイティング原田を破り、日本で初めて戴冠を果たしたオーストラリア人ファイターとなったレジェンドの名を引き合いに、勝利を誓った。
「もちろんニシダは元世界チャンピオンで、非常に優れたファイターだと思ってる。過小評価はしていないし、優れたサウスポーの手強い相手だ。そもそもこのレベルに到達するには、相当な強くなきゃいけない。だから目の前にいる相手のことはよく分かっているつもりだ。だけど、俺も彼を倒す準備はできている。できるだけ早く相手の動きを把握して、自分のゲームプランを実行する。それが俺の考えだ」
かつては、井上との対戦に「未練みたいなものが心の奥底にある」と漏らしていたグッドマン。しかし、計画が流れてから約2年--。今は、目の前に転がり込んだチャンスを掴み取ることだけに燃えている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

