50代共働きで世帯年収「1200万円」ですが、貯金は「300万円」しかありません。夫は「収入が多いから心配ない」と楽観的ですが、老後を考えると少なすぎるのでしょうか?

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50代になると、定年退職や年金生活が現実的な問題として見えてきます。世帯年収が1200万円あれば現在の生活には余裕があるかもしれません。しかし、貯金が300万円しかないと「老後は大丈夫だろうか」と不安になる人もいるでしょう。   そこで今回は、統計データをもとに、50代や年収1200万円以上の世帯がどれくらい金融資産を持っているのか確認します。さらに、老後の平均的な家計を参考に、50代からできる対策についても考えてみましょう。

50代で貯金300万円は少ない? 同年代・同収入世帯と比較

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表している「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、二人以上世帯のうち、世帯主が50歳代の金融資産保有額は平均1908万円、中央値700万円です。
中央値とは、金額が少ない世帯から多い世帯まで順番に並べたとき、中央に位置する金額です。一部の資産が多い世帯の影響を受けやすい平均値とあわせて確認すると、実態をつかみやすくなります。
50歳代では金融資産を保有していない世帯が18.2%あり、金融資産非保有世帯を含めた400万円未満の割合は38.7%です。
ただし、収入も考慮すると見方が変わります。50歳代で年間収入1200万円以上の世帯では、金融資産保有額の平均は5397万円、中央値は3500万円です。金融資産非保有世帯を含めても、400万円未満は15.8%にとどまります。
そのため、金融資産が300万円程度なら、同程度の収入がある50代世帯と比べて少ない部類に入ると考えられます。
なお、J-FLECの金融資産には預貯金だけでなく、株式や投資信託、生命保険なども含まれます。貯金以外にもこうした資産がある場合は、それらを含めて比較する必要があります。

老後は毎月約4万2000円不足? 平均的な高齢夫婦の家計を確認

「年収が高いから老後も大丈夫」とは限りません。退職すると給与収入がなくなり、家計の状況が大きく変わる可能性があるためです。
総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヶ月の実収入は平均25万4395円です。
一方、消費支出は26万3979円、税金や社会保険料などの非消費支出は3万2850円です。支出は合計29万6829円となり、実収入との差は月4万2434円になります。
仮に同程度の不足が20年間続けば、単純計算で約1018万円になります。さらに、住宅の修繕や自動車の買い替えなどで、まとまったお金が必要になる可能性もあります。
ただし、これは平均値を使った試算です。必要な老後資金は、年金額や生活費持ち家の有無などによって変わります。まずは「ねんきん定期便」などで夫婦の年金見込額を確認し、老後の生活費と比較することが大切です。

世帯年収1200万円でも安心とは限らない! 50代から老後に備える方法

世帯年収1200万円という収入は、これから老後資金を準備するうえで強みになります。ただし、大切なのは収入の多さではなく、老後のためにいくら残せるかです。
例えば50歳から65歳までの15年間、毎月10万円を老後資金として貯めれば、運用益を考慮しなくても1800万円になります。現在の貯金が300万円でも、今後の取り組みによって資産を増やすことは可能です。
まずは毎月の支出を確認し、住宅ローンや教育費などがいつまで続くのか整理しましょう。子どもの独立などで支出が減った場合、その分を老後資金へ回せば貯蓄のペースを上げられます。
また、現在と同じ生活水準を老後も維持するとは限りません。夫婦で「老後は毎月いくらあれば暮らせるか」を話し合い、年金で足りない金額を把握すれば、今から準備すべき金額も見えやすくなります。

まとめ:50代で貯金300万円なら高収入の今こそ老後資金を準備しよう

J-FLECの調査では、50歳代の金融資産保有額は中央値700万円です。さらに50歳代・年間収入1200万円以上では中央値3500万円となっており、金融資産300万円程度なら同程度の収入がある世帯と比べて少ない水準といえるでしょう。
ただし、世帯年収1200万円あるなら、今後の貯蓄によって老後資金を増やせる可能性があります。「高収入だから大丈夫」と考えるのではなく、夫婦の年金見込額や退職予定年齢、生活費などを確認し、収入がある今のうちから計画的に準備を進めましょう。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2025年 二人以上世帯 各種分類別データ(令和7年) 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)、設問間クロス集計(令和7年)1 金融資産保有額(年令・年収別)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー