「新学期なのに担任の先生がいない」全国の小中学校で進む“教員不足”の深刻な実態。現役教員は「トイレに行けないほど忙しい」と嘆き
実際に弊害も生じている。
「非常勤の先生は、割り切って仕事をするタイプも少なくなく、授業も最低限のことしかしない。生徒や保護者とのトラブルも多く、尻ぬぐいする我々の仕事がむしろ増えている。ウチの学校では、補充の先生を待つ段階はとうに過ぎ、毎日『どの先生の空き時間を回せるか』四苦八苦している。学校が本当に欲しているのは、フルタイムで担任を受け持てる教員免許を持った人。でも、そんな人材が何十人も待機しているわけない」(愛知県公立小・40代男性教員)
「自治体が配置予定の人数を、あらかじめ少なく見積もっておけば、おのずと『欠員』も少なくなる。一方、山口県や山梨県のように、独自に国の基準より多い予算を投じて少人数学級を維持すると、配置予定の教員が増えるので欠員が増えてしまう。つまり、教育改革に熱心な自治体ほど、欠員の数字が大きくなりやすいのです」(妹尾氏)
まさに数字のマジックだが、その背後には過酷な労働に苦しむ大勢の教員がいる。教員不足はいつまで続くのか。
㈳ライフ&ワーク代表理事
妹尾昌俊氏
OCC教育テック大学院大学教授。学校マネジメントの第一人者として知られ、中央教育審議会、有識者会議など政府委員を歴任
<取材/山本和幸、取材・文/齊藤武宏>
