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 教室に「先生がいない」。全国の公立小中学校で、こんな異常事態が常態化している。担任が急に交代し、授業を専門外の教員が受け持つ。産休や病休の代替教員も来ず、現場は疲弊する一方だ。限界を迎えた教育現場の知られざる実態と、深刻化する背景に迫った。
◆全国の学校で進む教育崩壊。先生も保護者も悲痛な叫び

「新学期になったら、担任の先生が代わっていたんです! 娘も私も動揺してます」

 小学3年生の子を公立小へ通わせる福岡県の母親は、こう話した。だが、同様のケースは全国の公立小中学校で相次いでいる。多くの学校の業務改善を手がけてきた妹尾昌俊氏が、実情を解説する。

「全国の公立学校教頭会の調査によれば、『欠員』が発生している小中学校は2年連続で約2割に達している。欠員とは、退職や産休・育休、病休を取得した先生の補充が来ない……などの理由で、配置予定の人数に満たない教員で学校を運営している状況のこと。全国で教員不足が常態化しているのです」

 人手不足の学校では、当然、教員の負担は重くなる。

「昨年度から教員不足が続き、トイレに行けないほど忙しい。さらに、近々、同僚の先生が産休に入るという。校長はいい顔をしないし、その先生も申し訳なさそうでかわいそうでした。校長の立場もわかるけど、同僚の出産を喜べない職場って何なんでしょう。最近では、特別支援学級の生徒を、通常のクラスに入れて一緒に授業するようになった。本来、いけないことなのに……」(岡山県公立小・40代女性教員)

 教員不足の原因はさまざま。時代を反映しているとも言えそうだ。

「女性も男性と同じように働く時代だから、女性教員も多い。男性に比べて結婚退職する人も多いし、産休を取られると一気に学校が回らなくなる。近頃は男の先生も育休を取るので、産休と重なったときはもう修羅場。授業が増えて、3クラスも担任した教務主任は日に日にやつれていって……。病む先生も多くて、新卒の先生は半年で辞めました。教員=過酷というイメージが広まり、そもそもなり手も減っている。先が見えず、私も病みそうです」(青森県公立小・30代女性教員)

◆教員不足が生み出す教育格差と地域格差

 特に、教員一人で全教科を教える小学校では、過重労働に苦しんでいる。週26コマ以上の授業を担当する教員が約4割に上り、休憩も取れない“ワンオペ先生”も多い。

 そもそも教員は残業代が一切出ず、“定額働かせ放題”と批判されてきた。昨年、教育公務員の給与を定めた元凶の「給特法」が改正され、給与面は若干改善された。だが、依然として残業代は出ない。