冷たいビールがキーンとしみる。夏ならではの“知覚過敏”の意外な原因と「やってはいけない」NG歯磨き
②知覚過敏向けの歯磨き剤を検討する
知覚過敏に有効な成分が入った歯磨き粉を毎日使用することで、知覚過敏が緩和していくケースも多いです。
神経の興奮を抑えることで、知覚過敏の痛みを抑える働きがある「硝酸カリウム」や、刺激が神経に伝わるのをシャットダウンする働きがある「乳酸アルミニウム」が知覚過敏に有効な成分の代表です。
また、「高濃度(約1,450ppm)フッ素」は、歯のエナメル質を強化することでむし歯予防に役立つため、知覚過敏のケアと合わせて取り入れたい成分です。
「歯医者に行ったら、結局削られるんじゃない?」と思っている人もいるかもしれません。しかし、知覚過敏の場合、原因によっては知覚過敏を抑える薬を塗ったり、歯磨きの方法を見直したりしながら経過を見ることもあります。
大切なのは、「しみる=知覚過敏」と自己判断しないこと。
こんな症状ならすぐに歯医者へ
・甘いものでも痛む
・痛みが長く続く
・何もしなくてもズキズキする
・噛むと痛い
・特定の1本だけ強くしみる
・歯ぐきが下がってきた
・歯ぐきから出血する
・歯が欠けた・ヒビが気になる
「冷たいものなどで一瞬だけしみて、刺激がなくなると痛みもおさまる」という症状は、知覚過敏でみられる典型的なパターンです。一方で、痛みが長く続く、何もしなくても痛む、噛むと痛むなどの場合は、むし歯や歯の亀裂、歯髄の炎症など、別の原因が隠れている可能性があります。
◆冷たいビールも、アイスも、夏の楽しみのひとつ
「歯がしみるから、もう冷たいものは食べられない」と我慢する必要はありません。大切なのは、「ただの知覚過敏だから」と放置しないことです。私もアイスが大好きなので、おいしく楽しむためにケアに気を付けています。
歯磨きの方法を少し見直して、それでも症状が続くなら、一度歯科医院で原因を確認してみてください。夏を思いっきり楽しむためにも、歯の「キーン」という小さなサインを見逃さないようにしましょう。
<取材・文/野尻真里>
【野尻真里】
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
