壮絶な打ち合いに観客からどよめき…錦織圭は思わずガッツポーズ!予選決勝の舞台に刻まれた名場面

テニスの全米オープンは8月28日(日本時間29日)、男子シングルス予選決勝が行われ、今季限りで引退を表明している元世界ランキング4位の錦織圭(ユニクロ)は20歳の坂本怜にストレート負けを喫した。現役最後の四大大会での本戦入りは逃したものの、新旧日本勢対決となったこの一戦は、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。
2014年に準優勝を飾るなど、錦織にとって全米オープンは数々の記憶が刻まれた特別な舞台だ。16年ぶり3度目となる予選からの過酷な挑戦となった今大会、2連勝でたどり着いた予選決勝の相手は、次世代の日本テニス界を担う若き才能だった。雨天で1日順延されて迎えた一戦は、単なる勝敗を超えた異様な熱気を帯びていた。
なかでもスタンドを大きく沸かせたのは、両者一歩も譲らない「爆速の打ち合い」だった。若き坂本が放つ威力のある強打に対し、36歳の錦織は卓越したテクニックと予測で応戦。息をもつかせぬハイスピードなラリーが幾度となく展開され、世代を超えた意地と意地がコート上で激しくぶつかり合った。
その激闘の最中、予選決勝の舞台に深く刻まれる名場面が生まれる。錦織が熟練の絶妙な配球を見せ、20歳の俊英・坂本をコートを前後に激しく翻弄。必死にボールへ食らいつく坂本に対し、錦織が最後に見せたのは、ふわりと高く浮かせた技ありの返球だった。必死にジャンプして手を伸ばした坂本のラケットはこれにわずかに届かず、錦織が鮮やかにポイントを奪い取った。
固唾を飲んで壮絶なラリーを見守っていたほぼ満席の観客からは、ベテランの華麗な妙技に大きなどよめきが沸き起こった。そして、限界ギリギリの激しい打ち合いを制した錦織は、自身のプレーを噛み締めるように思わず力強いガッツポーズを披露。熱気あふれるニューヨークのファンを大いに魅了した瞬間だった。
試合こそ第1セットを逆転で落とし、第2セットもタイブレークの末に競り負ける結果となった。しかし、若き才能に全身全霊で立ち向かい、鮮やかなショットと気迫で会場をどよめかせた錦織の姿は、観客の目に深く焼き付いたに違いない。四大大会最後のコートで見せたその闘志とガッツポーズは、次世代への確かなバトンとして坂本に受け継がれていく。
(ABEMA/WOWSPO/全米オープンテニス)
