技術力まで備えた「車海戦術」…中国車が新車販売世界1位、日本を初めて上回る(1)
世界自動車市場で販売台数1位はどこか。日本だろうか。そうではない。欧州でも米国でもない。中国だ。市場調査会社マークラインズによると、中国車は昨年、世界市場で約2700万台が売れ、新車販売台数で初めて日本を抜いて1位になった。日本車の販売台数は約2500万台だった。日本車が世界の新車販売台数で首位を明け渡したのは2000年以来だ。日本が劣っていたからではない。中国車の攻勢が始まったからだ。
昨年、世界で売れた中国車2700万台のうち中国で生産されて輸出されたのは約709万8000台だった。しかし今年は1000万台を超える見込みだ。中国自動車工業協会によると、今年1〜5月の自動車輸出台数は405万台と、前年同期比63%増加した。特に電気自動車などエコカーの輸出は183万台と、110%増えた。世界的なコンサルティング会社アリックスパートナーズは「この傾向が続けば、今年の中国車の輸出台数は前年(約710万台)比41%増の約1000万台に達する」と予測した。年間1000万台の輸出は世界で初めてだ。
巨額の政府支援と国内市場、強固なサプライチェーンを基盤に成長してきた中国車は価格競争力を超えて技術力まで確保し、世界の自動車産業の競争構造を変えている。BYDを筆頭に欧州や東南アジア、中南米市場で影響力を拡大し、従来の自動車企業と競争している。欧州では最近、史上初めて中国車のシェアが日本車を上回るなど、すでに変化が表れている。市場調査会社データフォースによると、6月に欧州で販売されたプラグインハイブリッド車(PHEV)のうち中国車の割合は34%で、過去最高となった。
PHEV以外を含む中国車全体でもその存在感は目立つ。6月、中国車は欧州の新車市場の11%を占めた。吉利汽車グループの電気自動車ブランド「Zeekr」は今年上半期、オーストラリアとマレーシアで電気自動車販売1位となった。SUVの「Zeekr7X」は8カ国・地域でプレミアム車種の販売トップだ。一方、世界1位だった日本車は減少傾向が明確だ。日本車8社が発表した今年上半期の世界販売台数は1192万台と、前年同期比で2.3%減少した。
中国車が急速に成長できたのは政府による長期的な産業育成政策のおかげだ。特に中国政府は電気自動車に資源を集中投資した。2009年から購入補助金や税制優遇、充電インフラ整備、研究開発(R&D)、政府調達などを通じて国家戦略産業として育成してきた。米戦略国際問題研究所(CSIS)によると、中国政府が2009年から2023年までに電気自動車産業に投入した支援額は約2309億ドル(約37兆円)と推計される。
これに地方政府の低利融資や土地提供、投資支援までが加わり、中国車は短期間で大規模な生産体制を構築することができた。バッテリー産業の育成も成長の軸となった。バッテリーセルから核心素材、自動車生産にまでつながる垂直統合を構築し、価格競争力と供給の安定性を同時に確保した。世界最大バッテリー企業のCATLとBYDが代表的な例だ。しかし中国車の競争力は価格だけではない。ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)や自動運転、AIなど、次世代自動車の核心技術の開発にも力を入れている。大徳大のイ・ホグン自動車学科教授は「車両を一つのプラットフォームとして捉えるアプローチは従来の自動車企業より速いようだ」と評価した。
現地生産で関税を回避し、物流費を削減するなどして価格競争力を維持する戦略も目を引く。現在、中国車の生産拠点はタイ、ブラジル、インドネシア、マレーシアなどの新興国を含め、ハンガリーやスペインなど欧州とその周辺地域に拡大している。韓国自動車研究院によると、BYD「ATTO3」のタイでの現地価格は2022年には110万バーツだったが、現地生産後は63万バーツ(約300万円)と43%も下落した。
昨年10月以降、海外投資事業計画を明らかにした自動車・部品メーカーは15社を超える。今年2月時点でこれら企業が発表した投資計画を合わせると約700億元(約1兆6650億円)に達する。韓国自動車研究院のユン・ソンホ研究員は「昨年10月以降、海外投資計画を明らかにした中国の自動車・部品企業は15社、700億元を超える。韓国の自動車産業も競争・協力戦略を再設計する必要がある」と述べた。
![中国河南省鄭州市のBYD工場 [新華=聯合ニュース]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/1/7/17452_204_5164cbdb_f6e793e0.jpg)
