「うどんやパン」にも塩分が?毎日の食事で実践『塩分を下げる方法』【医師監修】

塩分摂取量を下げるために、まず見直したいのは日々の食事です。塩辛く感じない食品にも多くの食塩が含まれていることがあります。栄養成分表示の確認方法や、調味料の使い方の工夫、外食・中食での実践的な選び方など、無理なく続けられる減塩習慣のポイントを具体的にご紹介します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

塩分を下げる方法①:毎日の食事から見直す基本の減塩習慣

塩分摂取量を下げるために、まず取り組みやすいのは日々の食事の中身を少しずつ変えていくことです。このセクションでは、無理なく続けられる減塩の基本的な考え方と、具体的な実践のポイントを紹介します。

「隠れ塩分」を含む食品を把握する

塩辛いと感じる食品だけが塩分源とは限りません。パン、うどん、ちくわ、かまぼこ、ハム、ソーセージ、インスタント食品、スナック菓子など、味のうえでは塩辛さを感じにくくても、実際には多くの食塩が使われている食品は数多くあります。こうした「隠れ塩分」を含む食品は、食品パッケージに記載されている栄養成分表示の「食塩相当量」の欄を確認することで把握できます。

食品を購入する際には、できるだけ栄養成分表示を確認する習慣をつけましょう。同じ種類の食品でも製品によって塩分量は異なるため、食塩相当量の数値を見比べて選ぶだけで、日々の摂取量をある程度コントロールできます。「食塩相当量が1食あたり2g以内を目安に選ぶ」といった自分なりのルールを設けることも、実践しやすい方法の一つです。

調味料の使い方と代替策

家庭での調理において塩分を下げるには、使用する調味料の量を減らすことが基本です。ただし、ただ減らすだけでは味気なく感じてしまい、長続きしないことも多いです。そこで、塩分を使わずに味を引き立てる工夫を組み合わせることが大切です。

具体的には、酢・レモン・ゆずなど酸味を活用することで、塩分が少なくても料理にメリハリが生まれます。また、かつお節・昆布・干し椎茸などから丁寧にとっただしを使うと、うま味が増して少ない塩分でも満足感を得やすくなります。スパイスやハーブを活用して香りや辛みをプラスする方法も、塩分を抑えながら風味を高める手段として効果的です。

醤油や味噌は「減塩タイプ」の商品も広く市販されており、通常品と比べて食塩相当量が30~50%程度低いものもあります。普段使いの調味料を減塩タイプに切り替えることも、取り組みやすい一歩です。ただし、減塩タイプでも量を多く使えば摂取量は増えるため、「種類を替えたうえで使う量も意識する」ことがポイントになります。

外食・中食での工夫

外食や中食(持ち帰り食・弁当)では塩分のコントロールが難しいと感じる方は多いですが、いくつかの工夫で摂取量を抑えられます。たとえば、麺類は汁を飲み干さず残すだけで数グラムの食塩摂取を抑えることができます。定食のメニューでは、漬物や汁物を控えるだけでも効果があります。

また、ファミリーレストランやコンビニエンスストアでは栄養成分表示が掲載されていることが増えており、食塩相当量を参考にしてメニューを選ぶことも可能です。「1食の食塩相当量が2~3g以内に収まるものを選ぶ」「ドレッシングは別添えにして量を調整する」といった意識を持つだけで、日々の積み重ねが変わってきます。

まとめ

塩分過多は、現代の日本人にとって身近で見過ごされやすい健康課題です。1日の適正量(男性7.5g未満・女性6.5g未満)や基準値を把握し、食事内容の見直し・カリウムの積極的な摂取・適度な運動など、生活習慣全体で取り組むことが塩分を下げるうえで効果的です。まずは食品の栄養成分表示を確認する習慣から始め、気になる症状や数値がある方は、内科や循環器内科など専門の医師への相談を早めに行動に移してみてください。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」

農林水産省「食塩の取りすぎに注意」