「性犯罪者に多い」13歳の少女への性的暴行の罪に問われた被告(35)が裁判で認めた「認知の歪み」

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「家に来る?」と誘った

〈車で迎えに行くから住所を教えて。今度、会おうよ〉

SNSで知り合った男女間で交わされるメッセージとしては、ごくありふれたものかもしれない。しかし、35歳の男が13歳の少女に送ったメッセージだとすると、やはり異様ではないだろうか。

’26年8月7日、不同意性交等の罪に問われた東京都の会社員・坂根駿介被告(35)の初公判が横浜地裁で開かれ、即日結審した。

「坂根被告は不同意性交等などの容疑で’26年5月14日までに神奈川県警都築署に逮捕されました。昨年12月、女子中学生Aさん(当時13歳)を車に乗せて誘拐し、自宅で性的暴行を加えた疑いです。母親が『娘が帰ってこない』と110番したことから事件が発覚。取り調べで坂根被告は、『わいせつ目的ではなく、一緒に遊ぶ目的だった』と容疑を否認していました」(全国紙社会部記者)

白いTシャツに緑のズボンで入廷した坂根被告は大柄であごひげや口ひげをたくわえ、長髪を後ろでちょんまげのように結んでいた。しかしその大きな体とは反対に声は小さく、黙り込むことも多かった。

検察官が読み上げた起訴状や冒頭陳述などによると、2人が知り合うきっかけとなったのは、坂根被告がAさんのインスタグラムにメッセージを送ったことだった。ダイレクトメッセージや通話機能を使った会話の中で、Aさんは「13歳で中学校では部活に入っていること、門限が夕方5時であること」を伝えていた。しかし、坂根被告は躊躇することなくAさんに冒頭のようなメッセージを送り、車で迎えに行ったのだった。

そして、Aさんに「家に来る?」と誘ったところ、何も答えなかったことから自宅に連れ込み、性交に及んでいる。

門限の夕方5時を過ぎても帰ってこないAさんの身を案じた母親がスマホの位置情報を確認したところ、居場所に違和感を覚えたという。「娘が事件に巻き込まれたかもしれない」と110番通報して事件が発覚することとなった。

公判で被告が見せた「沈黙」

取り調べでAさんは、事件についてこのように供述したとされる。

「(坂根被告に)服を脱がされている最中、こんなつもりじゃなかったなどと考え、怖いと感じました。そして、やめてほしいと思ったものの、言葉がのどから出てきませんでした。

家の近くまで送ってくれて『また会おうね』などと言われましたが、気持ち悪かったので返事をしていません。(坂根被告には)もう二度と関わりたくないと思っています」

坂根被告は避妊具なしで性交に及んだという。

坂根被告は普段からSNSで友人を探し、知り合った人たちと日常的な会話や趣味のことなど頻繁にやり取りしていた。弁護人の「いずれ社会に復帰するとして、今後はどういうことに気を付けていきますか」という質問に、「SNS上で誰かと知り合うと、事件に巻き込まれることもあるので気を付けたい」と他人事のように供述した。それに対して検察官に「事件を起こしたのはあなたですよね」と質問され、「はい」と答えている。

坂根被告は、被告人質問で「(Aさんと会ったのは)性的な目的ではなく遊ぶためだった。下心はありません」と何度も主張。しかし、検察官から追及されると押し黙ってしまい、言葉を発することなく沈黙した。

検察官「Aさんは車の中で体を触られたと言ってますが、本当ですか」

坂根被告「(小さな声で)覚えていません」

検察官「性的な目的ではないのなら、何の目的で会ったのですか」

坂根被告「……」

検察官「大事なことなので思い出してください」「答えなしでいいですか」

坂根被告「……」

答えたくないのか、答えられないのか、沈黙することが多かった坂根被告だが、Aさんを車に乗せたことや性交に及んだ理由については「断られなかったからです」と述べている。

しかしここでも、検察官に未成年の女の子と避妊具なしで性交したらいけないなんて、法律を知らなくてもわかるんじゃないですか」と質問されると、また黙ってしまった。

裁判長が指摘した「認知の歪み」

論告弁論で検察官は「本件は若年である被害者の今後の人格形成に及ぼす影響も大いに懸念され、被害結果は計り知れない」「被告人が自らの性欲を満たすために本件犯行に及んだことは明らかで、身勝手な経緯や動機に酌量すべき点は皆無」などとして「拘禁刑5年」を求刑。

一方、弁護人は「被告人は今回の事件を契機に人生をリセットし、一から出直すべく考えております。更生の意欲は強固です」などとして、「寛大な判決を強く望む次第です」と述べた。

最終陳述では目元を拭いながら、「被害者の方には本当に申し訳ないことをしました」と謝罪の言葉を口にしていた坂根被告。裁判を通して「13歳という年齢を知って、会うのをやめようとは思わなかったのか」という質問には無言で答え、あとは「断られなかったから」と何度も口にするのみだった。

そんな坂根被告に、香川徹也裁判長はこのように問いかけている。

「13歳の女児が、会おうって言ったら、会ってくれた。会ってくれるんだから、この子は僕に好意があるんじゃないかなとか思ったりしていませんか? 触ったら断らなかったから、性交してもいいんだと思ったりしていませんか?

それを認知が歪んでいるというんです。自分のいいように解釈している。あなたがどうかはわかりませんが、性犯罪を起こす人に多いんですよ。自分にそういうところがないかなって考えてほしいんです」

坂根被告は、裁判長の問いかけに「断られなかったっていうのをOKなんだっていう解釈をしてたっていうのは、確かにありました」と答え、いずれ社会復帰したら専門のクリニックで診療を受けることを約束していた。

公判で坂根被告は「認知の歪み」については認めた。だが、35歳の彼が13歳の被害者への犯行に及んだのはそれだけが原因だったのだろうか。もし「性的嗜好」について質問されたら、どう答えていたのだろうか。

判決は10月1日に言い渡される予定だ。

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取材・文:中平良