巨人・甲斐 今季初安打が決勝弾「久々すぎて不思議」 巨人逆転Vへ首位・阪神と1.5差
◇セ・リーグ 巨人5―3ヤクルト(2026年8月26日 神宮)
巨人・甲斐拓也捕手(33)が26日、ヤクルト戦で殊勲の決勝1号を放った。同点に追いつかれた直後の9回、昨年7月31日以来391日ぶりの本塁打を左翼席へ運んだ。FA移籍2年目の今季は6月半ば過ぎまで2軍暮らし。出場機会が限られる中、14打席目での初安打が勝負どころで出た。逆転勝利に貢献し、首位・阪神に1・5ゲーム差に接近した。
ほぼ1年前。甲斐はリハビリを始めたばかりだった。苦しい日々を乗り越え、球場でファンが喜ぶ姿を見るのは最高だった。
「こういった景色を見られるのはうれしいし、何より勝ててうれしいです。残り試合、一緒に戦っていきましょう」
先発マスクは今季まだ3度目。先制され、一時は逆転しても8回に追いつかれた。捕手として黙っていられない。3―3の9回1死。カットボールを振り抜くと、今季14打席目での初安打が左翼席で弾んだ。昨年7月31日の中日戦以来、約1年ぶりとなる決勝の1号ソロ。「本当に良かった。久々すぎて不思議な感覚でした」と大粒の汗を拭った。
移籍1年目の昨季。慣れない東京での生活に加え、伝統球団でのプレーの重圧で眠れない日も少なくなかった。さらに昨年8月23日のDeNA戦では本塁のクロスプレーの際に「右中指中手骨頭骨折」を負い、そのままシーズンが終わった。ソフトバンク時代はほぼポストシーズンまで過ごしていただけに、経験のない日々。今は「いろんな難しさもあったけど、逆に言えばいい一年だった」とポジティブに捉えている。
移籍2年目は開幕2軍スタート。若手とともにジャイアンツ球場で汗を流し、初昇格は6月21日だった。それでも「僕もそう思う」と逆境に打ち勝ってきたのが、甲斐という男だ。
育成ドラフト6位入団からソフトバンクの巨大戦力の中で頭角を現し、日本を代表する捕手になった。「新たな挑戦」とする巨人移籍でも簡単に心が折れるはずがない。「いろんな思いはあったけど、やれることをやろうと思っていた」。ひた向きに野球に取り組んだ結果がグラウンドで表れた。
首位・阪神まで1・5ゲーム差に迫る値千金の一発。何度も日本一を経験した33歳でも「出番がある時は求められているものを出したい。チームが勝つのが一番。どんな手を使ってでも勝ちたい」と勝利に飢える。何度も逆境をはねのけてきた姿が、逆転優勝を目指すチームと重なった。(田中 健人)

