■今作の「Mahaloha」は、ツアー最終日のアンコールでMicroさんと初披露されましたが、Microさんとはいつ頃に知り合ったのですか?

伊藤:一年半前ぐらいですかね。ある日、家にいたらAIちゃんから電話が掛かってきて、「会わせたい人がいるから、今から来て!」って言われて。「誰?」って聞いたら、Def TechのMicroくんが一緒にいて、「行く!」(即答)って。Microくんと初めて会ったのに全く初めましてという感じではなく、すごく気楽に話せました。そしてMicroくんからすごく大事なことを教えてもらったんです。それは、ハワイの良さ。やっぱりハワイで育つと分からないんですよね。例えば、たくさんの自然の中で育って、綺麗なサンセットとかを見られることが、もう当たり前になっちゃって。どっちかって言うとハワイの子は、「渋谷のスクランブル交差点を生で見たいよね」とか、「都会を見たいよね」というのが夢なんですよね。

■故郷を離れてみて初めて、その良さに気付くことはありますからね。

伊藤:一回出ないと分からないですよね。Microくんと色々話してて、改めてハワイってすごく良い場所なんだなって、自分の地元って本当にいいよねって思いました。

■今回、レコーディングで初めて一緒に作業してみて、自分らしさを認識したり、新たな発見などはありましたか?

伊藤:私は、インストゥルメンタルの上に歌詞とメロディーを付けるという、ほとんどゼロから一曲を作り上げるというのが初めてで、「これはどう?」ってアイディアを出して、夜中もMicroくんに電話して聞いたり。そういう所でMicroくんはすごい先輩だなって思いましたし、クリエイターとしてリスペクトするんですよね。そうやって毎回、一曲全部をゼロからスタートするなんてすごいと思いますし、私もいつかしたいことです。Microくんは絶対言わないけど、一緒に仕事して見てて、「こういう聴き方もあるんだ!」「こういう作り方もあるんだ!」「こういうレコーディングの仕方もあるんだ!」とか、色んなことを新しい目線で見ることができました。

■ハワイでビデオクリップの撮影を行ったそうですが、一年ぶりにハワイに帰ってみて、ゆっくりできました?

伊藤:全然(笑)。ビキニも買ったのに、ビーチにも全然。海に入りたくてしょうがなくて、ワイキキビーチで撮影中10分間のお休みに、「もう嫌ぁー!」「びゅーんって逃げようかな?」「足だけ入れようよ!」って(笑)。

■ハワイという、自分のルーツやバックグラウンドをこれからも大事にしていきたいという想いは強いですか?

伊藤:今回はファッション的にも、曲自体もあまり作り込まないで、本当にナチュラルにしたいな、と思って。前回の「I'm Here」はファッション的で、ファンタジーに近い所も結構あって、そういうのも大好きで、どんどんやりたいなという気持ちもすごくあるのですが、「ナチュラルな私はこれですよ」というのも皆さんに届けたいなと思って。今回のファッションは、ハワイのローカルガールが着そうなリアリティーのある洋服。全くローカルのファッションだと、ちょっと面白くないじゃないですか。例えば、ハワイだからといって、お花を耳にするのもちょっと違うなと思って。それもちゃんと意味があるんですよね。右にお花が付いているとシングル、左にお花がついていると彼氏がいます、というシンボルなんですよね。日本人だけではなく、ツーリストの人がよくハワイのファッションだと思うものがあるじゃないですか、全然違います!もう誰も言わないなら、私が言います(笑)。