「マンジャロ」広がる違法売買の実態 東京都はSNSを監視…その現場は
本来は、糖尿病の治療薬であるマンジャロですが、「やせ薬」として目的外の使用が社会問題化しています。SNSで違法な個人売買も広がる中、その実態と東京都の監視現場を取材しました。
■ウェブ診断「電話だけ、5分くらい」
東京都の職員が見つけたのは、SNS上でマンジャロを売ろうとする投稿。都は、こうした医薬品の違法な売買を防ぐため監視活動を続けています。
糖尿病治療薬のマンジャロは、食欲を抑える作用から体重が減少することもあり、“やせ薬”として、SNSをきっかけにダイエット目的で使用する若い女性もいます。
しかし、こうした目的の薬としては、承認されていません。ダイエット目的で使用する場合、公的な健康保険が使えず自由診療で全額自己負担となります。
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実際に使用している女性に話を聞きました。
実際に使用している人
「安く処方してくれるクリニックをずっとXとかで探していて、定期便で、ウェブ診断だけで処方してくれるクリニックがあって」
――ウェブで医者とのやりとりがある?
実際に使用している人
「オンラインで電話だけ。5分くらい」
身長や体重、アレルギーなど聞かれ、診察はわずか5分ほどで終わったといいます。
■新生児の仮死など…因果関係不明も副作用の疑い 専門家は強い懸念

保険適用でない、自由診療であれば、美容やダイエットを目的としたマンジャロの使用は禁止されていません。
ただ、本来の目的とは異なる使い方であるため、メーカーは、このような使用にはリスクがあるといいます。製薬会社は、2型糖尿病以外の目的で使用した場合、「思わぬ健康被害が起きる可能性もある」として、注意を呼びかけています。
PMDA=医薬品医療機器総合機構には、目的外使用による「副作用疑い」の事例として、流産や新生児の仮死が報告されていますが、マンジャロとの因果関係はわかっていません。
本来は、糖尿病患者のために使われるマンジャロ。専門家は、その“使われ方”に強い懸念を示します。
順天堂大学国際教養学部グローバルヘルスサービス領域 田村好史教授
「ある方々(糖尿病患者)のために作られた薬が、まったく違う不健康を作り出す薬として使われているのであれば、これはあまり良いことではないだろうと」
その上で、田村さんは、マンジャロが、自由診療の枠組みで提供されている現状について、
「これから先は、その枠組みのままでいいのか、さらに議論が必要になってくる」と述べました。
■「安く買い取ってほしい」投稿…都の担当者が警告

さらに問題となっているのが、SNS上での違法な個人売買です。マンジャロは医師の診察を受け処方される医薬品。許可なく販売することは、法律で禁止されています。
こうした違法な売買を防ごうと、東京都が行っているのが、SNS上での監視活動です。
この日、職員が発見したのは、余ったマンジャロを「安く買い取ってほしい」という投稿。許可なくマンジャロを販売することは法律に違反すると、都の公式アカウントから警告します。
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東京都 薬務課担当者
「いま確認したところ、ページ(投稿)が消えていました」
その後、警告を受け、投稿者自身が削除したとみられます。
都によりますと、警告した投稿のおよそ8割は投稿者自身が削除。残る2割についても、SNSの運営側に削除を依頼し、投稿が削除されるということです。
東京都保健医療局 薬事監視担当課長・渡辺大介さん「投稿を消してもらうことによって、不正に取得することがなくなることで、健康被害がないのであれば、それはすごくうれしいこと」
