天才イチローの伝説的逸話を元ヤ軍同僚が告白 明かされた打撃練習中の“本塁打量産”のワケ「『そんなことは寝てたってできるよ』って笑うんだ」

写真拡大 (全2枚)

現役時代に異彩を放ち続けたイチロー氏(C)Getty Images

 偉大な安打製造機の姿の色褪せることがない。

 現地時間8月21日、米野球専門ポッドキャスト番組「ALL THE SMOKE BASEBALL」に、元ヤンキースのカーティス・グランダーソン氏とニック・スウィッシャー氏が揃って出演。現役時代の思い出話に花を咲かせる中で、同僚だったイチロー氏の記憶を掘り下げた。

【動画】衝撃の「爆肩」 イチロー氏が現役時代に見せたレーザービームをチェック

 日米通算4367安打をはじめ、いまだ破られぬ年間262安打など、ありとあらゆる功績を球史に刻んできたイチロー氏。「ステロイド時代」と揶揄されたほどにパワーが重視されていた当時の米球界で、図抜けた打撃技術は異彩を放った。

 19年に及んだMLBキャリアにおいて、イチロー氏は2012年7月から約2年間に渡ってヤンキースに在籍。「一番勝っているチーム」と位置付けた米球界の盟主でも天才は、愛された。

 すでに時代の寵児となっていたイチロー氏について「正真正銘の天才だよ」と語ったスウィッシャー氏が振り返ったのは、何気ない練習での一幕だった。

 普段の試合では華麗な流し打ちを披露するイチロー氏が打撃練習中では一変。初球から次々とスタンドの奥深くに放り込む打球を放っていた。この時の様子について「俺がホームランダービーに選ぶとしたらイチローだ」と回想している。

「打撃練習中って普通、最初の方は流しながら逆方向に強い当たりを打つ練習をするんだよ。そうしてボールに目を慣らすんだけど、イチローは違ったんだ。1球目からガツンってスタンドに放り込む。それもヤンキースタジアムの2階席だ。

 2球目からもガンガン打ってスタンドに打ちまくるんだ。俺の覚えている限りだと練習中の球のほぼ全球をスタンドに放り込んでいる時もあったな。それなのに試合が始まったらレフト方向にちょこんと当てるだけなんだよ。彼はマジで凄いんだよ」

 通常の試合では見せないパワーヒッター顔負けの“打力”を見せつけたというイチロー氏。そんなレジェンドの姿を思い出したグランダーソン氏は、ロッカールームで隣合せとなった際の会話を披露した。

「俺はある時、聞いたことがあるんだ。『なんで試合でそんなこと(流し打ち)をするんだ? 君はもっとかっ飛ばせるでしょ』ってね。そしたらイチローは『そんなことは寝てたってできるよ』って笑うんだよ。俺は『じゃあなんで練習してるんだよ』って不思議に思ったよ(笑)。試合じゃ全然やらないのに。でも、あの時の彼はガンガン打ちまくっていた。しかも、それをずっと繰り返し続ける。スランプともほとんど無縁で、まさに安定感の塊だった」

 昨年1月に米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏。「野球界におけるアジア文化との力関係を変えた」(スウィッシャー氏)という伝説的打者の逸話は尽きることがない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]