再現実験により発火するモバイルバッテリー(NITE提供)

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 政府は、モバイルバッテリーの発火事故が相次いでいることを受け、安全規制の抜本強化に乗り出す方針を固めた。

 第三者機関の検査を義務化することが柱で、製造段階でのチェック機能を高め、粗悪品の流通を防ぐ狙いがある。月内にも方針を発表し、政省令の改正により今年度中の制度化を目指す構えだ。

 複数の政府関係者が明らかにした。第三者機関による安全性の確保策は欧米でも採り入れられておらず、先駆的な取り組みとなる。

 具体的には、経済産業省が電気用品安全法の政省令を改正し、モバイルバッテリーの製造業者を対象に、技術基準の強化や品質管理措置の義務化を行う。その上で、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)の調査をクリアした第三者機関の検査を経る制度を導入する。

 モバイルバッテリーは2018年に電気用品安全法の規制対象となり、安全性の基準に適合することを示す「PSEマーク」の表示がない製品の販売は禁じられている。ただ、現状では製造業者による自主検査にとどまっているため、電気温水器などと同様に、第三者機関の検査を受けた高い水準のPSEマークを表示した製品のみが市場に流通する仕組みを構築する。

 リチウムイオン電池内蔵のモバイルバッテリーの事故件数は、近年急増している。NITEによると、21年の51件から、25年には192件と約4倍になった。

 国内で流通しているモバイルバッテリーの大半は中国製で、高温や強い衝撃があった際などに発火するケースが多い。原因として電極の巻きずれや異物混入など、製造工程や品質管理上の問題が指摘されている。

 今月には大阪メトロ御堂筋線の列車内で発火事故が起き一時、運転を見合わせた。4月からは航空機内での使用禁止などの措置も取られているが、政府は「重大事故につながりかねず、根本的な品質確保策や安全対策が急務だ」(高官)と判断した。

 政府は、8月末に産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)の小委員会で方針を提示し、今年度中に改正政省令を施行する方向で調整している。1年間の経過措置を経て適用する方針だ。