〈夏のペットボトルに要注意〉カフェオレは35℃で「菌が1万6000倍」に…夏の車内ではペットボトル“破裂”の危険も
熱中症対策や水分補給のため、ペットボトル飲料を持ち歩く人は多い。開封した飲料を一度に飲み切れず、残った分をそのまま持ち歩いたり、冷蔵庫で保管したりするケースも少なくないだろう。
【画像】超危険? 夏の車内にペットボトルを放置したことがある人の割合
しかし、開封後の保管方法や温度によっては、衛生面だけでなく、ペットボトルの「破裂」など、思わぬリスクが生じることもある。飲み残した飲料を安全に扱うにはどうすればいいのか。東京都や専門機関に話を聞いた。
カフェオレは35℃で24時間放置すると、生菌数が約1万6000倍に
開封したペットボトルを1日で飲み切れず、冷蔵庫で保管する人も多いだろう。しかし、特に暑い季節には、衛生面で注意が必要だ。飲みかけの飲料は、口内の細菌などが飲料に入り込み、増殖する可能性がある。
ではいったいどの程度、菌が増殖するのか。
繊維製品をはじめ、多くの製品の品質評価を行なう一般財団法人ニッセンケン品質評価センターは、「飲みかけ放置のペットボトル飲料は危険!?」と題して、開封後のペットボトル飲料に含まれる菌数の調査結果をホームページで公表している。
それによれば、カフェオレ・スポーツドリンク・麦茶・緑茶の4種類のペットボトル飲料を、4名の被験者に数回に分けて口を付けて半分程度飲んでもらい、その後、冷蔵庫内を想定した「4℃」、涼しい室内を想定した「20℃」、真夏に長時間持ち歩いた状態を想定した「35℃」の3種類の温度条件で24時間放置し、放置前後の生菌数をそれぞれ測定した。
その結果、最も菌の増殖が多かったのがカフェオレだ。糖分や乳成分など、微生物が利用しやすい栄養が豊富に含まれており、35℃放置で生菌数は約1万6000倍に増加した。
次いで増殖が見られたのが麦茶で、35℃では生菌数が約1400倍に増加。原料である大麦由来の炭水化物などが菌の栄養源になったと考えられるという。一方、今回の試験では、スポーツドリンクと緑茶で生菌数の増加は認められなかった。
試験を行なった担当者は、次のように説明する。
「スポーツドリンクは酸性で、細菌が増殖・生存しにくい環境にあること、またカテキンが含まれる緑茶は抗菌作用があることなどが、こうした結果につながったと考えています。ただし、混入する菌の量が人によって異なるため、あくまでも今回の条件下での結果になります」
では、どうすれば菌の増殖を抑制できるのか。
ポイントは「できるだけ早く飲み切る」「短時間でも高温での放置を避ける」「直接口をつけず、コップに注いで飲む」の3つだと担当者は指摘する。
「ペットボトルに直接口をつけて飲むと、口腔内の菌や食べかすなどが飲料に入ってしまい、それが菌の増殖の要因となります。また、短時間でも高温だったり、栄養素が多かったりする液体の場合は菌が増えやすくなります。こまめに冷蔵すること、口をつけずにコップに注いで飲むこと、そしてなるべく飲み切るというのは非常に重要です。
コップに注ぐ場合でも、開封した時に空間中の雑菌などが混入する可能性があるため、菌が全く増えないとは言い切れません。また、ボトルを開けた状態で置いておくのではなく、蓋をちゃんと閉めるというのも予防になるかと思います」
ペットボトル飲料の破裂事故に東京都が注意喚起
ペットボトルのリスクは衛生面に限らない。「破裂」による事故事例なども報告されている。
消費生活に関わる東京都の情報サイト「東京くらしWEB」では、「気温が上昇する季節に、清涼飲料水用ペットボトルが破裂するなどの事故が発生しています」として注意を呼び掛けている。
東京都の調査報告書では、消費者庁・国民生活センターの「事故情報データバンクシステム」に寄せられた事例として、「飲み残しのコーヒーのペットボトルを開けようとしたら爆発して手指をけがした」「購入したまま車内に置き忘れていた果実飲料が破裂し車の天井部分が破損する等損害を受けた」といったケースを紹介している。
また、破裂等が起こった場所は「車内」が47.2%、また破裂等が起こった時期は「夏」が85.8%にのぼった。
こうした状況を受け、東京都は2種類の試験を実施した。
10種類の商品について、飲み残し後の状態を再現し、夏の屋内環境を想定した30℃の環境に放置した。その結果、非炭酸系で糖分を含む飲料(乳性飲料等)は、その他の種類よりも容器の内圧が大きく上昇した。
さらに、同様の商品を未開栓の状態で、夏の車内環境を想定した60℃の環境に放置したところ、各商品は7~8時間程度でおおむね60℃に達した。特に炭酸飲料ではすべての容器が変形し、そのうち2商品が転倒したという。
前出の調査によれば、ペットボトル飲料を夏季の車内に保管した経験が「ある」と回答した人は約3割にのぼったという。都では、ペットボトル飲料について、早めに飲み切ることや、夏場に車内など高温になる場所に放置しないことなど、取り扱いへの注意を呼びかけている。
ペットボトル飲料は手軽に購入できる一方、置かれる環境や飲料の種類によっては、思わぬリスクが潜んでいる。暑い時期には、保管場所や取り扱いに十分な注意が必要だ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
